歌舞伎町が電動キックボード無法地帯に。2人乗り、飲酒運転、ナンバー未装着も
公道走行可能な電動キックボードの普及が著しい。環境にも優しく、便利な乗り物であることは間違いないが、乗る人間次第では凶器にもなりうる。危険運転が横行する電動キックボード無法地帯と化した歌舞伎町で3日間張り込み、その実態を追った。
【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
GW明けの早朝、新宿・歌舞伎町区役所通りの歩道を、2人乗りする一台の電動キックボードが走り抜けた。運転するホスト風の男性の服を摑むのは、スマホをいじる「ぴえん系女子」。アフター終わりの客を新宿駅まで送り届ける仲睦まじい姿ではあるが、明らかに危険運転である。
しかし、ここ歌舞伎町ではなんら珍しい光景ではない。この街ではホスト、スカウト、客引きなどの間で電動キックボードが大流行しているが、その多くが当たり前のように危険運転をしている。
場所は同じく区役所通り。終電もなくなった深夜2時頃、若い男性が運転する2人乗りの電動キックボードが車道と歩道を交互に走り、縦横無尽に歩行者の間をすり抜けていった。取材班が自転車で追いかけると、2人乗りのまま通行人の女性に、「お姉さん、これからどこ行くの?」とナンパ行為をしている。
女性に断られた2人組は、「キャハハハハ!」と笑い声を上げながら歩道を走り続け、駐車場に停めてあった他県ナンバーの車に乗り込むと、消えていった。わざわざ他県から歌舞伎町まで電動キックボードを持ってきているのだ。
素行の悪さが目立つ「トー横界隈」の若者たちも電動キックボードを乗り回す。見ているこっちが恥ずかしくなるようなコールを合唱しながら酒を飲み、空いたチャミスルの瓶を地面に叩きつけた。そして、「俺が歌舞伎町で一番強い! ウキャー!」と奇声を発しながら、電動キックボードに乗り、酒を買いに行った。
歌舞伎町の酒屋で働く30代の男性は、こうした状況に頭を悩ませている。
「私は車で毎日歌舞伎町を通るのですが、最近、電動キックボードの飛び出しが異常に増えました。乗っている本人は楽しそうですが、とにかく車で近くを走りたくない。彼らはそのうち死亡事故を起こすとしか思えません」
72時間の潜伏取材で撮った問題シーンの数々
「トー横界隈」の若者たちも電動キックボードを乗り回す
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ