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参政党はトンデモではない。振り切ったトンデモだ/倉山満の政局速報

 7月10日に投票が行われた第26回参議院選挙。日本近現代史の専門家である憲政史家・倉山満氏は「3年前、NHK党が登場した時にも相当な「イロモノ」扱いされたが、参政党は比ではない。人によっては「トンデモ」と呼ぶだろうが、それは本質ではない。参政党は、『振り切ったトンデモ』なのだ」と参政党の本質について解説する(以下、倉山満氏による寄稿)。

知る人ぞ知る存在だった参政党が参院選で突如として1議席獲得

 この人たち、深い知り合いか、知り合いの知り合いなので、非常に書きにくいと言うのはあるが……。
参政党

参政党の「参議院選挙2022」特設ページ。一番右側が今回議席を獲得した参政党事務局長の神谷宗幣氏

 ただ、立憲民主党の真人間、日本維新の会、国民民主党には言いたい。参政党ですらこれだけできたのだから、貴方たちが参政党くらい頑張れば、自民党に勝利を献上するはめにはならなかったのでは?  知る人ぞ知る存在だった参政党が参議院選挙で突如として登場、一議席を獲得した。  その主張は、保守だと分類されている。重点政策では、「外国資本による企業買収や土地買収が困難になる法律の制定」「外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めない」などは、ややもすると排外主義にも聞こえるが、他の保守政治家も言っていることなので、これだけでは特段変わった政策ではない。自民党でこれを言えば即座に右翼呼ばわりされるだろうが。

参政党は、「振り切ったトンデモ」なのだ

 参政党の特徴は、真正面から「グローバリズムに対抗するナショナリズム」を訴えていることだ。知らない人が聞いたら「鎖国でもするつもりか?」と思うだろう。これが、よくよく聞いていると、本当に「鎖国が正しい」と信じている関係者もいたりする。ナショナリズムは矯激(きょうげき)にならない限り結構として、では彼らが敵視する「グローバリズム」とは何か。 「ユダヤ」「ロックフェラー」「ロスチャイルド」「ディープステート」「イルミナティ―」……。次から次へと陰謀論の定番用語が飛び出す。  そして、同じく重点政策では「農薬や肥料、化学薬品を使わない農業と漁業の推進と食品表示法の見直し」を訴える。これには真面目な農業政策の研究者から「それをやると餓死者が続出、貧富の格差が広がる」と批判をされるが、そんなことは関係ない。  3年前、NHK党が登場した時にも相当な「イロモノ」扱いされたが、参政党は比ではない。人によっては「トンデモ」と呼ぶだろうが、それは本質ではない。参政党は、「振り切ったトンデモ」なのだ。  では、この党はどのようにして世に出たのか。
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参政党は当初、市議会議員選挙でも勝てない政治団体にすぎなかった
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