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参政党はトンデモではない。振り切ったトンデモだ/倉山満の政局速報

「陰謀論、ネットワークビジネス、そういうものを許容しないと広がりが無い」

 渡瀬・KAZUYAと決別したあたりから、神谷と参政党は振り切った。渡瀬・KAZUYAが批判したのは「陰謀論を許容するな。嘘を言いふらすことになるからだ」だったが、神谷は振り切った。私も直接言われたが、「陰謀論、スピリチュアル、ネットワークビジネス、そういうものを許容しないと広がりが無い」が神谷の言だ。事実、そちらの方向に振り切ってから、参政党の勢いは加速度がついて広がった。  これを機にどうも、司令塔となる軍師が代わったような気がするが…。  一般知名度ほぼゼロ、SNSでもツイッター・YouTube・フェイスブックのフォロワー数はそこまで凄くない。TikTokは政治動画が少なく、独占状態だったようだが。それなのに、演説会をやればどんな田舎町でも超満員。党大会をやれば10万円の席も完売。会費月4千円の党員が、次々と既成政党を超えて、今や9万人。ボードメンバーの5人が参議院選挙全国比例に立候補、さらに全国の45選挙区にも候補者を擁立、比例票を掘り起こした。

参政党はいいこと“も”言っているにすぎない

 この党、確かにいいことも言っている。きちんとした教育、きちんとした食、きちんとした安全。と言われて反論する日本人はいないだろう。既成政党は難しく考えすぎて、それを言ってこなかったが。  いきすぎたコロナの規制、マスクやワクチンのあり方をもタブーとせず、堂々と切り込んだ。その勇気に感銘を受けた人もいるだろう。    しかし、ある候補者と熱狂的な支持者が「コロナウィルスは波動で治る」と訴えているのが聞こえてきたら、他人のフリをしたくなる。    参政党は、いいことも言っている。いいことを言っているのではない。極端な「トンデモ」が混ざるので、「いいことも」言っているにすぎないのだ。しかし、参政党に投票するような人は、「いいことを」と「いいことも」の区別はつかない。

トンデモに振り切ったのが参政党のリアリズム

 ここに参政党のリアリズムがある。  民主主義は数が力、多数決だ。頭がいいものは常に少数派だ。いつの時代、どこの国でも、インテリは常に少数派だ。自民党をはじめ既成政党に批判的な政治に関心がある層の人々は、悩みを抱えている。現実社会は、テストの答えのような明快な正解が無いことだらけだ。しかし、心の弱い多数の人は、正解や解決を求めている。そこに正解や解決を与える。まさに陰謀論やスピリチュアルの手法だ。インテリには恥ずかしくて、絶対にできない。そこに渡瀬やKAZUYAが離れた原因がある。渡瀬やKAZUYAのファンなら、「コロナウィルスは波動で治る」「アメリカ大統領選で不正が起きたので、フランクフルトで米軍とCIAが銃撃戦を起こした」「プーチンはディープステートと戦う光の戦士だ」式のトンデモには耐えられない。  しかし、そこに振り切ったのが参政党のリアリズムだ。参議院1議席が割に合うかどうかは別問題だが、泡沫政党と言われた状況からは大勝利と言えるが。
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参政党の活動の取り入れられる部分を参考にしては如何か
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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