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黒ギャルユニット元リーダーに聞く“個が強い人たち”をまとめるコツ「自分のエゴだけで動かない」

 90年代に安室奈美恵のファッションやメイクを真似た「アムラー」が大流行。その後も時代とともに「ガングロ」や「ヤマンバ」といったさまざまなギャルカルチャーが誕生し、一世を風靡してきた。  最近ではY2K(Year 2000:2000年前後に流行したファッションやメイクを取り入れるトレンド)がZ世代を中心に注目され、今もなおギャルカルチャーは時を超えて若者たちに受け継がれている。
はるたむ

強め黒肌ギャルユニット「Black Diamond」初代リーダーのはるたむさん。写真は2022年10月1日に開催されたエンタメ・サウナフェス「GLAMSA」の会場で撮影

 そんななか、元カリスマ黒ギャルとして旋風を巻き起こし、一時代を牽引したのがはるたむさん(Twitter:@harutamusama)だ。  これまで総勢500人のギャルたちをまとめ上げたり、美容整形に総額1200万円をかけたりと、規格外のギャル道を突き進み、数々の伝説を残してきた。そして、今年からはエステサロンのプロデュースやDJユニットの結成など、新たな境地を開いている。  個性が光るギャルたちをまとめるリーダー論や、軸をぶらさずに人生を歩んでいくための秘訣について、はるたむさんに話を聞いた。

本気でギャルの道を志したのは「親との絶縁状態」がきっかけ

はるたむ はるたむさんは名古屋に生まれ、幼い頃からオシャレに興味を抱いていたという。 「おばあちゃんが化粧品の会社を経営していたこともあり、物心ついた頃から美容に関心を持っていて。きらびやかで派手なものが当時から好きだったんですよ(笑)。小学生のときにテレビで出ていた浜崎あゆみさんが衝撃的で、可愛さや生き方にすごく憧れを持ったんです。本当に当時から、黒髪清楚系よりも金髪派手系が好きな子供でしたね」  しかし中学に進学すると、次第に親のしつけや学校の同調圧力に嫌気がさすようになる。  小学校はランドセルを背負って登校し、中学校からは制服を着ていく……。など、日本型学校教育の枠にはめる慣習が、はるたむさんにとっては苦痛でしかなかったのだ。 「小学校では制服のある学校に通っていましたが日傘を差したり髪を巻いたり、香水を付けたりと、自分のやりたいようなオシャレを楽しめたんですが、中学校からはそうもいかなくなって。校則の厳しい私立に通わせてもらっていたこともあり、色々な制約から窮屈に感じていました。中学校からは勉強もできたし、やるべきことをこなしているのに自分のやりたいおしゃれなどができないことや、ちょうど自分の反抗期とも重なって、親から『ギャルの見た目は大人になってからやってくれ』と言われたことに対し、納得がいかなかったんです。  常識なんてとらわれず、周りにどう思われるか全く気にしたくなかったので、ギャルのスタイルは絶対に諦めたくなかったんですよ。実を言うと、親と意見が食い違っていたこともあり、中学生の頃から絶縁状態でした。でも今振り返ると、この時が『ギャルを仕事にしてみせる』と奮起したターニングポイントになっていると感じています」

成人式の“ド派手”な衣装が話題となって一躍有名に

ド派手な振袖姿

20歳の成人式で見せたド派手な振袖姿は大きな反響を呼んだ

 自分の好きなギャルの見た目を親に理解してもらえず、挫折も味わったはるたむさんだったが、「東京でギャルの仕事をする」という野望はずっと消えなかった。  15歳ですでに地元のギャルサー「ジョーカー」のリーダーとしてギャルを束ねていたそうだが、その経験やギャルを極めようとする信念が、強め黒肌ギャルユニット「Black Diamond(ブラックダイヤモンド)」にスカウトされるきっかけになった。  2012年にBlack Diamondへ加入するや、はるたむさんはいきなりリーダーを任され、妹分的ユニット「Queen Sisters」のメンバーを合わせると、総勢約500名のギャルをまとめる役割を担っていたのだ。  はるたむさんが一躍有名になったのは、一生に一度の成人式で見せた“ド派手”な衣装。彼女らしさが全開で大きな反響を呼んだ。 「ピンクの花魁風の振袖に、ピンク髪のツインテール、マイメロディちゃんやキラキラなデコをあしらったネイル、そして髪飾りにもマイメロディちゃんを付けた衣装が、ネットでバズって。これがきっかけで、既存の『Black Diamondのリーダー』から『はるたむがいるBlack Diamond』へと立ち位置が変わり、タレントのお仕事も増えました」  そして、2015年にバラエティ番組「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出演したことで、ずっとギャルの見た目に反対していた親からも応援されるようになったそうだ。 「絶縁していた時期にも、親はこっそり私の SNSをチェックしていたみたいで。『踊る!さんま御殿!!』に出ていた私の姿を見て、背中を後押ししてくれるようになったんです。今までの人生で信念を貫いてギャル道を突き進んできて本当に良かったと思う瞬間でした」
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はるたむ流「個が強い人たち」をまとめる秘訣
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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