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黒ギャルユニット元リーダーに聞く“個が強い人たち”をまとめるコツ「自分のエゴだけで動かない」

はるたむ流「個が強い人たち」をまとめる秘訣

 その後、2017年にBlack Diamondを卒業し、DJやモデル、YouTubeの動画制作などに取り組むようになったはるたむさん。  今年7月には6人組ガールズDJユニット「DJaneJAPAN(ディージェーンジャパン)」のリーダーに抜擢され、再びチームを率いる立場としての活動をスタートさせている。  これまで歩んできた芸能の仕事のなかで、はるたむさんはまとめ役としてチームの女性を束ねる機会が多かった。  “ギャル”と聞くと、個人としては明るくポジティブで親しみやすいという側面がある一方、グループやチームとしては、個が際立ちすぎてまとまりがないといった印象を持つ人もいるかもしれない。  そこで、超個性的なギャルをまとめてきたはるたむさんに、我の強い人たちをまとめる秘訣について聞いた。 「これはどんな業界でも言えることだと思いますが、重要なのは『自分のエゴだけで動かない』ことです。ギャルといっても、さまざまなタイプの子がいて、それぞれ得意・不得意を持っている。それを見極めて、適材適所に役割を振るように心がけています。例えば、事務作業が好きなのか、あるいは外に出て活発に動きたいのかによっても違ってきますし、ファッションひとつとっても清楚系や派手系などの好みも分かれます。  そのため、その子の雰囲気や願望に合わせるように意識していますね。自分がされて嬉しいことを相手にするよう留意し、逆に自分がされて嫌なことはしないようにする。そして、何か光るものがあったら、些細なことでもすぐ褒めるようにしているんです。そういう細かいことの積み重ねが、良い人間関係を築くコツだと思います」  ギャルサーは挨拶や礼儀のほか、メンバー同士の上下関係が厳しく、15歳から加入していたはるたむさんは、「自然とメンタルが鍛えられた」と言う。  また、「自分やチームを客観視し、足りないものを見つける」ことも大切だとはるたむさんは言う。 「自分から見る風景と、他人から見るそれは違ってくるわけで、いかに客観的にチームのこと、自分のことを見つめて補うべきところを把握するのが大切になります。ただ、周囲の意見を参考にしながらも最終的には自分自身で意思決定を行うこと。ゴールから逆算して計画を立てれば、取るべき行動は見えてくるので、あとは信じて前進するだけです。リーダーが前を向いていれば、他のチームメンバーも自然とついてきてくれますね。  ギャルって見た目が派手なぶん、礼儀はしっかりしている子が意外に多く、ピュアで優しい心の持ち主なんですよ。特にBlack Diamondは極端な派手さが飛び抜けていたので、自分の信念をしっかり持った子が多かった。なので、相手が何を必要としているのか、困っていることは何かを常に考え、気遣うことを心がけていました。リーダーという立場上、押し付けにならないように『これで大丈夫?』と合意を取るようにしていましたね」

コロナで味わった挫折を乗り越え、行き着いた新境地への思い

はるたむ

はるたむさんのインスタグラムのページから(Instagram:@harutamu02)

 はるたむさんは初志貫徹の精神で、自分の信念や思いから湧き上がるエネルギーを糧にギャルを仕事にしてきた。  そんな彼女だが、2020年のコロナ・パンデミックが発生したときに、大きな苦悩を味わったという。 「イベントができなくなり、モデルやDJの仕事も一気になくなってしまって……。自分の好きなことが何ひとつできず、このままじゃダメかもと思っていました。それでも、とにかく前へ進むことだけは意識し、YouTubeやライブ配信など、色々と新たな道を模索し続けましたが、どれも踏んだり蹴ったりで。2020年から2021年にかけては収入的にも辛かった時期でしたね」 「男ウケより女ウケより自分ウケ」を座右の銘に、自分が納得するまで“GoingMyWay”を貫いてきた。それゆえに、人と違うことしかできないのが逆にネックと感じる時期もあったそうだ。  このまま自分が変わらなければ、先は切り開けない。中途半端な気持ちで何かにトライしても、良い結果は得られない。 「コロナ禍で自分を見つめ直す時間がたくさんできた」と話すはるたむさんは、「人に敷かれたレールに乗らず、自分自身で人生を切り開く重要性」にあらためて気づいたと話す。 「自分を肯定してくれる人を周囲に置き、確固たる信念を持つことや日々自分磨きに時間をかけること。そして、同じ志や目標を持つ仲間を作ることが大事だとコロナ禍で強く感じました。また、SNSを開くと他人が活躍する様子も簡単に見ることができますが、他人のことを気にしすぎるのも良くないと思っています。あくまで自分の人生ですから、“GoingMy Way”は大切にしつつ、何事も中途半端なものにはせず、どうしたら自分の良さを生かせるか。得意なことを仕事にできるかをずっと考えていたんです」  そこでたどり着いたのが「美容、ギャル、DJ」の3つを仕事として成立させていくことだった。2022年に入ってから、はるたむさんは次々と新しい挑戦に取り組んでいる。
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“派手なギャル”に留まらず…
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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