お金

高校中退、手取り20万円以下の厳しい生活を「副業」で脱却するまで

“ビジネスが軌道に乗った”と慢心、在庫4000個を抱えて大失敗

船田寛 まず、私が挑戦したのは紳士服でした。1か月目は約100万円分売って、利益は10万円ぐらい。これは初月としてはかなり良い方です。ある程度はせどりでネットビジネスというものを理解していたからだと思います。  2か月目でコツをつかみ、約400万円分を売って、利益は60万円ほど。その後、半年が経つ頃には1200万円分を売って、250万円の利益を出すまでになりました。  ただし、失敗もあります。最初の半年で手応えを感じ、“軌道に乗った”と慢心していたのです。  私は、冬にダウンジャケットなどの分厚い上着を多く仕入れました。しかしその年は予想外の暖冬……。せっかく仕入れたダウンジャケットのほとんどを廃棄しなければならない事態に陥りました。また、あまりリサーチもせず、「たぶん売れるっしょ!」と適当に仕入れたにきびクリームは、競合の多い商品でした。5000本を仕入れたうち、今でも4000本の在庫がある状態です。  そんな失敗を経て、リスクを極力抑えるための方法も身に付けることができました。具体的には、レディースのアパレルは「サイズが合わなかった」と返品されることが多いので、ワンピースのように厳密なサイズを必要としないアイテムにしてみたり、多少ダボッとしていても問題のないルームウェアにしてみたり。
LL FIERTE

船田氏が手がける自社ブランドのAmazon販売ページ

 試行錯誤を繰り返し、今では失敗も少なくなりました。  取り扱う商品を決める際、市場分析が非常に大切。売れそうな商品でもあまりにも競合が強いものは見送るようにしています。そして、最も売り上げを左右するのは販売ページです。その商品について、どのように訴求するのか。マーケティングの本などもたくさん読み、どういった方法が良いのか考え続けています。

企業や人からも認められる“社会性のあるビジネス”

 自社ブランドOEMは、いわゆる転売ヤーとは大きく異なり、“社会性のあるビジネス”なんです。特許庁からきちんと商標を取るため、企業や人からも信頼を得られます。  東急ハンズやロフトなどの大手小売店に自分の作った商品を置いてもらっている人もいますし、自社ブランドを売却して大きな利益を得たという人もいます。たんなる副業に留まらない、5年後や10年後も見据えることができるビジネスだと思っていますね。 <構成/松本果歩>
物販コンサルタント。自社ブランドOEMスクール「物販NAVI」運営。かつては大手物流企業に勤めるも給料が少なかったことから新聞配達や深夜の警備員などでなんとか生活。ある雑誌で「せどりで稼ぐ方法」の記事を見つけたことをきっかけに、2011年6月より国内転売をスタート。2014年9月に脱サラ、法人設立後は自社ブランドOEMで月収500万円を達成。現在では物販スクールの講師としてコンサルも行いつつ、売り上げは月商2000万~2500万円をキープしている。YouTubeチャンネル(@navi913)でも情報発信中。
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