更新日:2023年02月21日 18:51
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日銀総裁交代で市場はどうなる?「アフター黒田」に伸びる銘柄をプロが厳選

黒田総裁が長年舵を取ってきた「異次元の金融緩和政策」の動向に関心が高止まりだ。その道のプロが、今後の金融政策の動きから注目株を徹底解説する。(情報は週刊SPA!2月14日号発売時点)

不安視されている金利上昇による株価下落

黒田総裁 4月8日、日銀の黒田東彦総裁が10年の任期を満了する。それに伴い不安視されているのは、金利上昇による株価下落だ。  実際に’22年以降の米国市場は、金利上昇により、S&P500種株価指数の’08年以来最大の下落となった。経済アナリストの馬渕磨理子氏は、今後の日本市場をこう見立てる。 「今後のシナリオとしては、①長期金利の上限引き上げ②国債買い入れ額の縮小③マイナス金利の解除、が考えられます。①、②に踏み込むだけでも、ドル円は110円台、あるいはさらなる円高に推移する可能性があります」

円高となった場合注目される銘柄

馬渕磨理子氏

馬渕磨理子氏

 円高になった場合、国内で2番目に大きな産業の製造業は、海外へ輸出をして利益を得ているため、経済の冷え込みも懸念される。 「私も、輸出産業や不動産は不調になるという見立てです。ただし、為替が120~130円台でとどまれば、十分に円安の水準となりますので、そこまでの冷え込みは起きないでしょう。一方で、現状では、銀行、保険、輸入企業が好調を示しています」  黒田総裁の引退で円高となった場合、これらの業界はさらに後押しされる。具体的な銘柄は何が挙げられるのか。 「輸入企業としてエネルギー系だと、関西電力(東P・9503)です。円高でエネルギー資源を安価で仕入れることができますが、関西電力はそのうえ、電力確保のコスト削減の実現に成功しています。複数の原発を稼働させていることが大きいですね」
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エネルギーのほかに地方銀行、証券株も注目
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