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前回は抽選倍率100倍超え「五輪選手村跡地に建つタワマン」晴海フラッグは買いか

投資目的の購入者も多く倍率が高騰

晴海フラッグ

分譲街区は4145戸という大規模に。小中学校も’26年に開校予定。写真上下は完成予想CG、公式HPより

「倍率が高騰したのは実需に加えて投資目的の購入者も多く参戦したからです。東京駅から近く、全国から多くの人が訪れていました。また他のマンションと比べて購入制限が緩く、すべての部屋を申し込んだ業者もいたと聞いています。 運河に面した人気部屋に当選すれば、70㎡6000万円台後半で分譲された物件が、今の相場なら9000万円近くになるので、2000万円以上の売却益を得られる計算です。実際には税金を考慮しなければならないのでそこまでうまくはいかないのですが、巷で言われているように宝くじよりは分がいい賭けだったのは確かです」  すでに板状棟の販売はほぼ終了しているが、街のシンボルとなる、タワー棟の販売がいよいよ6月から開始される。真打ちの登場に、不動産業界は大きな盛り上がりを見せる。現地点ではまだ販売価格は発表されていないが、肝心の販売価格について、前出のキットキャット氏は、こう分析する。

真打ち・タワー棟登場。板状棟の再来となるか

「建築資材の高騰や、建設業界の働き方改革などが価格上昇要因となり、選手村建設当時とだいぶ事情が異なります。さすがに破格のお得さは難しいかもしれませんが、噂レベルでは階数によって『タワー棟の坪単価は400万円を切るかも』と言われています。 その坪単価で比較すると総武線平井駅のタワマンがライバルなので、やはり中央区のタワマンとしては別格のお得度といえます。私の価格予想では、47階の3LDK70㎡台で1億円前後、20階で8000万円台後半くらいに。物件の東側には清掃工場があり、煙突からの水蒸気や眺望を理由に東向きの部屋が安く設定されたら狙い目。 また板状棟に眺望を遮られる低層階は安くなりますが、眺望が遮られないギリギリの階の部屋のほうが眺望と価格のバランスはよくなるかもしれません」  しかしながら、現状右肩上がりのマンション市況にも懸念はある。湾岸エリアでは供給が過剰になるかもしれないのだ。 「いわゆる『マンション2024年問題』です。同じエリアで総戸数が3000近い『パークタワー勝どき』の引き渡しが’24年に始まる。ほかにも引き渡しが開始されるタワマンが重なっているので、一時的に需給が悪化し、思った価格で物件が売れないかもしれません」
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投資家目線のシビアな見方
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