更新日:2023年04月12日 15:42
エンタメ

坂本龍一氏が日本の音楽に与えた影響を振り返る。国民的大ヒット曲の編曲も

④槇原敬之の才能を見抜く


 槇原のプロデビューは、ラジオ番組『サウンドストリート』(NHK-FM)にデモテープを投稿し坂本が絶賛したことがきっかけでした。  その後の槇原の活躍は言うまでもないでしょう。デビュー曲「どんなときも。」や「もう恋なんてしない」とミリオンヒットを連発。そしてSMAPの「世界に一つだけの花」。どれもカラオケの定番です。  歌詞を先に作曲する槇原の土台に坂本龍一とYMOの構築美があるのも興味深い事実です。歌詞を読ませながらも、過度に意味に偏らない。言葉がドライに響く槇原の作風に影響を与えているのだと思います。  坂本龍一がいなければ槇原敬之は世に出なかったかもしれない。そう考えると、坂本がJポップ、歌謡曲にもたらしたものは計り知れません。  以上、ポップスサイドから見た坂本龍一を急ぎ足で振り返ってみました。他にも取り上げなければならない楽曲があるだろうとお叱りを受けそうですが、“世界のサカモト”だけではとらえきれない幅の広さを改めて感じます。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ