更新日:2023年04月08日 14:36
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那須川天心vs武尊、武藤敬司引退etc.盛況だった「格闘技×PPV」で高額ファイトマネーの新時代は訪れるのか

那須川VS武尊戦は視聴チケット販売50万件を突破

――3月29日には、K-1世界三階級制覇王者の武尊氏がABEMAと専属PPVファイター契約を締結し、日本人初のPPV選手として「1試合最低1億円」の報酬が支払われることが大きなニュースになりました。「格闘技の試合をPPVで見る」という観戦方式は、今後も増えてくるのでしょうか。 山内:格闘技の試合は現状、いろいろなものを観たいというよりも、「スター選手の出るこの試合はぜったいに観たい」という試合単位での需要が高いので、サブスクリプション型というよりも、都度課金できるPPV型のほうが相性はいいと考えています。  また、新型コロナウイルス禍で試合の回数や来場者数が制限されたことにより、「PPVで試合を観戦する」という選択肢を取ることに抵抗がない人が増えています。これらのことも、PPVの売り上げが伸びる追い風になっています。 ――PPV格闘技の中でも、どのような試合が特に人気だったのでしょうか。 山内:「武藤敬司引退試合」以外では、やはり「THE MATCH 2022(那須川天心VS武尊)」「超RIZIN(フロイド・メイウェザーVS朝倉未来)」が反響は大きかったです。なかでも、「那須川天心VS武尊」は視聴チケット券売数が50万件を突破しました。これはABEMA PPV史上、最高数の記録です。  同試合ではまだ英語版の実況を配信していなかったのですが、外国からの注目度が高かったため、この成功を経て、海外展開により力を入れるようになりました。

団体の許可が取れないとPPVは実現しない

武藤敬司

武藤敬司引退試合での一幕。蝶野正洋氏がサプライズで指名され、リングに上がった。(C)PRO WRESTLING NOAH、(C)AbemaTV,Inc.

――格闘PPVを提供するなかで、課題に感じていることはありますか。 山内:出場する選手が所属している両方の団体からPPVに対する理解を得ることです。どちらかの団体が配信に難色を示したら、実現することができません。断られる理由としては、「PPVというものがよく分からない」「配信だと盛り上がりに欠けてつまらない試合だと思われそう」という声があります。 ――ちなみに、武藤敬司氏は引退試合をPPVで配信することに対してどのような反応だったのでしょうか。 山内:今までサイバーエージェントグループと仕事をしたこともあり、武藤さん本人から「ABEMA PPVで配信しよう」という提案を受けました。また、「引退試合にはすべてをかけているから、なんでもやる」という思いも語ってくれました。  武藤氏のような人気も影響力も高い選手が積極的な姿勢でいてくれることは、格闘PPVが根付く大きな一歩になります。
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PPV配信後の無料放送は「すごく考える」
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IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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