仕事

24歳女性、ラーメン屋未経験から“ギャル店長”に。「宮崎県の“田舎”まで人を呼ぶ」アイデアと行動力の大切さ

「ギャル店長を目当てに」全国から“人で人を呼ぶ”

SNS

SNSで謎のダンスを披露する二人

 接客や人の部分に力を入れていこうと最初から決めていた。そこで、ありすさんを店長に任命し、ラーメン屋の“ギャル店長”としてSNSで発信してみたのだ。 「彼女のノリや人当たりの良さは天性のものがあって。その魅力をきちんと伝えられたら、たくさんの人に応援してもらえると思ったんです。また、店をやり始めてみると、ラーメンを作るのは彼女のほうがぜんぜん手際がよくて。自然と彼女がキッチン、僕はホールというかたちに落ち着きました。ラーメン屋でラーメンを作っているのが彼女なら、それはもう“店長”だなと思って」(村田さん)  まさに“人で人を呼ぶ”狙いが功を奏し、大きな話題を呼んで地元のメディアに取り上げられた。フォロワー数や集客は右肩上がりの急上昇。 「宮崎県内だけでなく、他県からもギャル店長(ありすさん)目当てのお客さんが増えて、1日に何組もいますね。隣の鹿児島県をはじめ、九州全土。関西や関東、全国から“YouTuberやTikTokerに会いに行く感覚”で来てもらえるようになりました」(同)  村田さんは、手応えを感じているという。しかしながら、そもそも高原町にラーメン屋をオープンした経緯とは?

地元にラーメン屋が一軒もなくなる危機に事業承継

ギャル店長 村田さんは以前、宮崎市内で青果店を営んでいた。だが、地元の高原町にラーメン屋が一軒もなくなってしまうという危機に、Uターンして“事業承継”することを決意。 「もともと二軒あったラーメン屋のうち、一軒は店主の高齢化、もう一軒は怪我を理由に閉店されると聞いて。そこは学生時代に通った店。高原町は商店街の少子高齢化などの理由から事業承継を支援していて、“地域おこし協力隊”としても活動することで補助金なども貰える。僕としては、地元に戻って少ないリスクでチャレンジできる良い機会でした。  また、九州の人間なのでラーメンと言えば豚骨なんですが、都会の福岡に行って食べるような博多ラーメンが田舎で味わえたらいいなと思ったんです」(村田さん)  そこで青果店はネット販売に切り替え、もともとアルバイトとして働いていたありすさんに「ぜひ手伝ってほしい」と声を掛けたのだとか。 「僕はラーメン屋でのアルバイト経験が多くて、ある程度は最初からオペレーションの流れが見えていました。ラーメン屋を経営している友人もいたので、作り方やレシピの相談に乗ってもらったり、まわりの力を借りればなんとかなるんじゃないかって。ただ、実際にオープンさせるまでには、とにかく時間が掛かりました。なにせ、現実としては初めてのことばかりだったので」(同)
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ギャルならではの悩みも
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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