更新日:2023年06月22日 23:45
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なぜ年を取るほど、妻に怒られることが増えるのか…?妻が夫に怒る「本当の理由」

定年した夫たちが知っておくべきこと

熟年夫婦 ちなみに、定年退職して間もない夫の皆さまへ。  家事を担当してこなかった夫は、残念ながら「家の新人」として、妻から、「ぬるい指示待ち人間」に見えているのである。  どんなに頭がよくても、どんなに頑張っても、妻の30年越えの経験値には絶対にかなわない。なのに、妻は自分がスーパーエクセレントな家政のプロだということに気づいていない。「誰でも気づけることでしょうに、この人、気づかないふりをするなんて、怠慢だし卑怯だし、ひどすぎる」と思い込んでいるのである。  この誤解は、早めに解いたほうがいい。定年退職したら早めに「きみの家事能力は賞賛に値する。さまざまなことに気づき、並列処理で片づけていく能力は、会社の仕事に置き換えて考えたら、かなり尊敬されていいベテランの凄技だ。きみに支えられて、今日まで安心して外で働いてこれたんだなぁと、心から感謝している」と讃辞と謝辞を述べよう。こんな長いセリフ覚えられないという人は、メールでもいい。

定年後、妻にお願いしておくべき3つのこと

 そして、3つのお願いをしておくといい。 お願い(1)「そこで、わかっておいてほしいことがある。僕には、きみに隙なんか無いように見えるから、手伝うポイントがわからないんだ。手伝ってほしいときは、そう指示してほしい。黙って期待してくれても、きっと何もできない。いきなり、なんでやってくれないの!とか怒らないでほしい」 お願い(2)「それとね、最初は出来が悪くても、イラつかないで、根気よく説明してほしい」 お願い(3)「きみの手際を見ていると、家事を一緒にするのはきっと無理だよ。縄跳びの達人の、高速二重交差とびの中に、いきなり入れって言われても無理だろう? だから、何かの当番になろうと思う。洗濯当番とか、お風呂掃除当番とか、単独で何かの専門家になるね。それにしたって、最初は、いろいろ教えてほしい」  ――と、ここまで手を打っておけば、妻だって、自分の家事能力が“縄跳びのアクロバティックな高速二重交差とび”だと納得して、初心者の夫に、優しい気持ちになれるに違いない。  60歳といえども、女心は永遠の14歳なので、自分がお花畑で、ひらりひらりと跳んでいる女の子くらいにしか思っていないのである。その勘違いが、60代の「家の新人」である夫や嫁への怒りを生んでしまうわけ。  というわけで、逆に60代のベテラン主婦の皆さま、ほんっと、家族を大目に見てあげてほしい。あなたは、優秀すぎる。 〈黒川伊保子 構成/日刊SPA!編集部〉
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ
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