公営競技を始めるとき、一般的にはギャンブルとして入る人が多いだろうが、競輪には多くのドラマがある。高木さんに“車券以外でのガールズケイリンの楽しみ方”を聞くと、「ぜひ推しメンを見つけてほしいです」と話した。 「私の在校競走成績は2位だったこともあって、デビューしたらどこまでやれるのか自分のなかでワクワクしていた部分もあったのですが、初めてのレースは5着で、そこからもなかなか勝てなくて全然ダメだったんです。でもそのときから応援してくれる方がいました。やっぱり勝てないときから応援してくれていた方々には思い入れがあります」 　自身が勝てない選手であった時代があるからこそ、「今勝てていない選手を応援することの面白さがあるんです」と力説した。 「今はあまり勝てていない選手でも、推しメンになって応援していたら強くなっていくこともあります。そうなれば、ガールズケイリンを観ることがもっと面白くなると思うんですよね。もちろん、強い選手の推しメンになって応援するのも楽しいと思いますが、今勝てない選手が階段を登っていく姿を見守るのも、ガールズケイリンの楽しみ方の1つだと思います」 　最後に高木さんが今注目しているガールズ選手を聞いてみた。 「私は千葉の刈込奈那選手に注目しています。先行している選手で、最初は勝てていませんでしたが、最近は一般戦だと1着2着あたりがとれるようになってきたんですよ。刈込ちゃんは、先行逃げ切りができる選手になることを目標に走っていることが観ていて伝わるので、応援している方も逃げ切れる日を楽しみにして観るようになります。これは先行に限らずですが、その選手が『何を目指していてどんな走りがしたいのか』がハッキリわかる選手だと、応援する側もレースを見ていて楽しいですよね！　とにかく推しメンをみつけることで、ガールズケイリンは何倍も楽しくなると思いますよ！」 　競輪には様々な楽しみ方がある。車券を買ってギャンブルを楽しむだけでなく、人間ドラマを楽しむこともまた、競輪ならではの楽しみ方の1つ。誰か1人を応援することで、ギャンブルではなく“感動できるスポーツ”という見方に変わるかもしれない。 文／セールス森田Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA！編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント