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悠仁殿下お一人が背負う「皇位継承の歴史」/倉山満

一筋縄ではいかない皇籍取得

 日本国憲法は、皇室の問題は皇室法に委ねている。これまた女系論を主唱した園部逸夫元最高裁判事によれば、皇室法とは「制定法、慣習、先例、条理、伝統等」である。女系天皇容認など、あり得ない。  だが、旧皇族の皇籍取得も一筋縄ではいかない。旧皇族の方々は、600年以上前に今の皇室と分かれた「もう一つの皇室」である。あまりにも血縁が遠い。この問題意識は300年前に新井白石が抱いた。だから旧皇族の源流である伏見宮家は当時も存在していたが、より血縁が近い閑院宮家を創設した。そして約60年後に皇室の直系が絶えた時、閑院宮家から光格天皇が即位し、皇統を保守した。300年離れていても問題だったのが、今は600年だった。  そこで参考になるのが、これまた女系論の主唱者だった笠原英彦慶応大学法学部教授だ。笠原教授は、女系を容認した場合に最大の問題となるのは皇婿殿下であり、単なる一般国民では務まらない。旧皇族の方々以外にいるのか、と問題提起している。悠仁殿下ご生誕以前の議論だ。私は女系天皇容認論者でも、話ができる方々の意見は拝聴する。  皇族の方々の人生に口を出すなど恐れ多いが、国の大事だから述べた。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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