「首相官邸との関係」に腐心している財務省/倉山満
―[言論ストロングスタイル]―
大蔵省解体が落とした影
連日のように大蔵省の破廉恥なスキャンダルが暴かれ、マスコミは「大蔵省相手ならどんなバッシングをやっても許される」という、今となっては信じられない時代だった。
あげく金融部門は金融監督庁(現・金融庁)として分離。大蔵省は看板も取り上げられ財務省と改称、今に至る。当時の大蔵省は「律令以来の伝統だ」と抵抗したが、時の首相の橋本龍太郎は無視。大蔵省を解体してしまった。
橋本首相は大蔵省解体のみならず全省庁を大編成したが、この影は今に落とす。橋本行革の狙いは政治主導とそれを実現する首相官邸機能の強化だ。この弊害は大きく、「首相官邸に出入りする一部の政治家と官僚だけで日本の政治すべてを決めてしまう」状態となった。本欄’22年8月2日号では、安倍元首相の国葬問題を取り上げ、なぜ議会や与党に諮(はか)らず、首相は一部の側近とだけ相談し決めてしまうのかと問題視した。たかが国葬と笑うなかれ。この種の政治手法が日常化しているのだから。
「財務省政権」と呼ばれた小泉政権
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売
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