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元ビールの売り子が語る“過酷な舞台裏”「精神的にキツいことも…」時給や採用基準も暴露

売り子が頭につけている「花」の秘密

ビール 売り子

売り子同士の絆は強く、サークルのような側面もあったようだ

「売り子同士の上下関係も厳しくて、一年目は花を着けちゃダメとか、中学校の部活みたいなルールもありましたね」  実は、ビール売り子が着けているあの“花”には、知られざる物語があるらしい。 「『売れっ子だった先輩の花を引き継ぐことが名誉』という風潮がありました。だから後輩はみんな、人気があった先輩の花をもらいたがるんです。売り子によっては見るからに年季の入った花を着けてる子がいるんですけど、その花には売り子としての誇りだったり、先輩と後輩の絆が詰まっているんです

アサヒは元気系、キリンはアイドル系…

 美女揃いのビール売り子バイトだが、やはり採用倍率はかなり高いらしい。各メーカーはどのような基準で売り子を選んでいるのだろうか。 「見た目が綺麗、可愛いというのは前提とした上で、アサヒは元気系、キリンはアイドル系、エビスはモデル系、サントリーは女子アナ系を採用するイメージがあります。面接では実際に樽を背負って『ビールいかがですかー?』と販売の実演をさせられました。まるでCMのオーディションみたいでしたよ(笑)。  東京ドームでは4つの会社でシェア争いをしていたのですが、特にアサヒとサントリーの争いが激しく、チェッカーも絶対負けたくないのでみんなで戦略を立てるんです。体力のある子、元気な子は階段の上や外野に。地方出身の子はご当地トークができるので三塁に。そして一塁は最も売れる場所なので、ちゃんと顧客を掴めそうな可愛くて明るい子が回されていました。ちなみに私はそのどれでもなく、治安は良いけど全然売れない記者席担当でした……
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「樽ごと買い占めてくれる人」はありがたい
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1994年生まれ。フリーランスライター兼タレント。ミス東スポ2022グランプリ受賞。東京スポーツ、週刊プレイボーイ、MEN'S NON-NO WEB、bizSPA!フレッシュなどで執筆。隔月刊漫画雑誌「グランドジャンプめちゃ」にて連載中の漫画「スワイプ」の原作も務める

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