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“危険走行”電動キックボードで死亡事故も…運営するサービス事業者を直撃した

悪質なユーザーは排除できるのか?

 616文字の回答文の中で「警察と連携」という趣旨の言葉が4回も用いられている。これはサービスは提供するが、手に負えない部分があるという意味だろうか。また「新しい交通ルールの周知」という部分も気になる。求められるのはルールの周知より、悪質なユーザーが事故を起こした場合の事業者の責任を取る意志だと思うのだが。  ともあれ、ユーザー数と講習会への参加者数についても記載がなかったことに「あまりに無内容ではないか」と追加で取材を求めたところ、以下のような返事が。 「ユーザー数は非公開とさせていただいておりますが、アプリのダウンロード数は100万以上となっております。安全講習会も参加者数は公開していないのですが、ご参考までに開催回数をお伝えいたします。2021年4月の実証実験としてのシェアサービス開始以降:70回以上(うち、2023年7月の改正道路交通法施行以降:19回)」  警察や自治体との連携・協業をアピールする一方で、市民が判断材料とすべき数値を公開しないことに疑問は残る。これまで筆者は電動キックボードなど次世代モビリティの開発者に取材したことはある。多くの開発者は安全性を確保し、誰でも気軽に利用できる車体の開発に尽力していたが、実際にそれを利用しているサービス事業者はどうか。シェア拡大にとらわれるあまり、安全性という足元がおろそかになっていることはないだろうか。人身事故を伴う危険走行が問題視されている今、あらためて考えてみたい。 <取材・文/昼間たかし>
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』
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