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“危険走行”電動キックボードで死亡事故も…運営するサービス事業者を直撃した

公式サイトの問い合わせフォームが機能していない?

 同社はプレスリリースでも、取材は公式サイトのフォームからの依頼を要求している。まずは、それに従って取材依頼を送ってみた。が、まったく返答はなかった。再度送っても同じである。しびれを切らして、プレスリリースに記されているメールアドレスに質問事項を添付して送信したところ、ようやく返事が。どういう不具合か、筆者がフォームから送信したものは、まったく届いていないということであった。  同社広報部からは以下のような返答がきた。メールアドレスから送信した際に、筆者は「ユーザー登録の際の交通ルールテストは、悪質なユーザー排除のために十分に機能していないのではないか」「無関係の歩行者が事故に巻き込まれた場合、保険以外に被害者へのケアを考えているのか」「ユーザー数、講習会への参加者数の実績」といった10項目の質問を箇条書きで添えていた。

どうにもかみ合わない返答に違和感…

 これら個別の質問事項についての回答にはまったく触れないまま、一方的な回答が送られて来た。そこに綴られていたことによれば同社は「シェアリング事業者は、警察にも監修をいただいた交通ルールのテストに全問・連続で合格することを全ての利用者に義務付けている」「利用前に必ず注意喚起の画面を表示」しているとし、それでも違反者が発生している状況を真摯に受け止めているとする。  その対策として「警察等と連携した定期的な安全講習会の開催、アプリ内のみならずポート看板、車両等を使った注意喚起、SNS等での情報発信」「違反者に対しては、警察と連携のうえ、重大な違反に対するアカウント凍結等の措置」を行っているとする。  こうした説明を並べたうえで、同社は以下のような主張を述べる。 「新たなモビリティが安全・便利に活用されるためには、自社サービスの利用者のみならず、電動キックボードを個人で所有している方や、電動キックボードに乗らない方々に対しても新しい交通ルールを広く周知することが重要だと考えています。そのため、警察、自治体と連携のうえ、ルールの啓発活動に引き続き力を入れてまいります」
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悪質なユーザーは排除できるのか?
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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