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『キングオブコント2023』採点徹底分析。カゲヤマとニッポンの社長が作った「天井」、サルゴリラがつかんだ“優勝という魚”

3年連続で最高得点を更新

 ファイナルステージで、サルゴリラは手元から小道具すらもなくす。ストーリーだけを抽出すれば、野球をやめるという部員を監督が引き留めるだけ。それなのに、魚でたとえ続ける監督の言葉に、それを苦悶の表情で聞く部員に、どんどん引き込まれてしまう。カゲヤマのお尻で始まった大会が、言葉という魚に集約されていく。  サルゴリラの点数は、ファーストステージ、ファイナルステージともに482点。合計964点は、審査員5人体制の歴代最高得点だ。これで3年連続で最高得点が更新されたことになる(2021年 空気階段960点、2022年 ビスケットブラザーズ963点)。  ちなみに、ファーストステージ10組の平均点(465.7点)も、3年連続で過去最高を更新している。3年前の2021年に審査員が現メンバーに刷新されているため、単純に比較はできないが、最後に松本人志が語った「3位、4位の人が優勝しても数年前ならおかしくない」という言葉は体感としてもうなずけるだろう。  どこまでレベルが上がり続けるのか恐ろしい。とりあえず今は、最高のコントを堪能できたことを喜びたい。 <TEXT/井上マサキ イラスト/まつもとりえこ 編集/アライユキコ> 【まつもとりえこ】 イラストレーター。『朝日新聞telling,』『QJWeb』などでドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューを執筆。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身。X(Twitter):@riekomatsumoto
ライター。大手SIerにてシステムエンジニアとして勤務後、フリーランスのライターに。理系・エンジニア経験を強みに、企業取材やコーポレート案件など幅広く執筆するかたわら、「路線図マニア」としてメディアにも多数出演。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』(ダイヤモンド社)など。X(Twitter):@inomsk
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