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“日本一接客態度が悪いレストラン”に連日行列ができるワケ。SNSの炎上は「狙い通り」、緻密すぎる戦略

次は接客態度の悪いVIO脱毛で勝負したい

竹原大樹_エッジな人々――過激な接客態度が目立ちますが、お店は清潔で、料理もおいしいです。 竹原:先ほども言ったように、すべてにおいてギャップが大切。「態度が悪いのに飯はうまい」「店員はダルいって言うのにコーヒーはちゃんと淹れてくれる」など、憎めないポイントを出す。このお店でインスタントのコーヒーを出せばチープなお笑いレストランになってしまう。この条件は絶対崩してはいけないので、店づくりは徹底しています。 ――飲食店は大体1年しか持たないと言われていますが、それに対する打開策はありますか。 竹原:いえ、実はこのお店は1年ぐらいでやめるつもりです。このコンセプトで「どれだけ長く生き残るか」を考えるよりも「次は何をしようかな?」と考えるほうがコスパがいい。来年は悪口を言うアイドルを店主にするなど、店丸ごとを“イベント貸し”などを行っていく予定です。それまで、SNSにも薪をくべながら、いい具合に炎上させて、閉店するか誰かに渡したい。アイデアはバンバン思いつくので。 ――次の事業も考えている? 竹原:はい。次は「日本一接客態度の悪いVIO脱毛」をやるつもりです。今の悪口のコンセプトはそのままに、男性客が勃起でもしたらエステティシャンが「お前、気持ち悪いんだよ!」と罵る。客がどれだけ痛がってもバンバン脱毛して時間短縮にもなって回転率もいい。狙うのは、“今まで脱毛をしてこなかったキモオタたちに脱毛させる”。ガチで新しい市場をつくろうと思っています。ところで、今日は栄あたりのエロい店行かないんですか? 紹介したのに……。いいんですよ、僕はこんな態度で(笑)。 ===============  日本一接客態度の悪い店のオーナーは手の内を一切隠すことなく丁寧にインタビューに応じてくれた。このギャップに魅了される人がこれからも増えていくのだろう。クソみたいなオーナーのクソみたいに画期的なアイデアが世界を変えていく。 竹原大樹_エッジな人々Taiki Takehara 1993年、岡山県生まれ。名古屋外国語大学を卒業後、編集プロダクションに入社。退社後、企業のブランドSNSを企画・制作・運用代行の会社「AND TRICOT」の代表取締役。’23年「the LAZY HOUSE」オーナーとなる 取材・文/南ハトバ 撮影/宮下祐介
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