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「帰宅できない隙に妻が浮気をしていた」トラック運転手を辞めた31歳男性が語った“物流業界の過酷さ”

休憩なしで積み荷作業。長時間労働が常態化

物流[2024年問題]の闇

※写真はイメージです

 奥田大貴さん(仮名・33歳)は、関東近郊にある運送会社に所属、農作物をメインに配送するドライバーだ。 「朝8時に出庫して生産地を巡って作物をピックアップし、18時ごろ市場に到着。本当は休憩を取る必要がありますが、市場でそのまま梱包・積み荷作業を行い、間髪入れず店舗に配送に向かいます」  ときには、別の荷主の配走で24時間以上拘束された後、会社に戻ってから駐車場で仮眠をとって、すぐに次のルートにつくことも。

「月50万円は稼げているので不満はない」けど…

 そんな奥田さんの給与形態は、25万円の基本給に7万円のみなし残業代、そして歩合に応じて支払いが加算される仕組みだ。 「歩合といっても基準は不明。ただ、月50万円は稼げているので不満はありません。4月以降も働こうと思えば、いくらでも抜け道はありますよ。例えば、市場での梱包・積み荷作業も書類上は休憩となっていますが、実際には稼働していてそれが歩合に反映される。給料がどんぶり勘定な分、会社もドライバーの労働時間を簡単にごまかせます」  運送業界は常に人手不足。マンパワーと荷物量が明らかに見合っていないと、奥田さんは指摘する。 「生鮮食品は鮮度が命。上限規制を守っていたら、冗談抜きで小売店の棚は傷んだ野菜だらけになりますよ」  日本人の食卓は彼らの長時間労働によって成り立っていたのだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/123RF PIXTA>
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