更新日:2024年02月16日 17:04
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時速350km…“新幹線よりも速い”海外高速鉄道の乗り心地は「車窓の景色を眺めるヒマがないほど」

VIPクラスは新幹線のグランクラス並みに豪華

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VIP席の乗客専用ラウンジ

 新駅ゆえに駅舎は立派だったが駅周辺には住宅地が広がり、日本の新幹線停車駅の駅前のようにビルなどの高い建物はまったくない。時間を潰せるようなショッピングモールも近くになったため、駅待合室に隣接したラウンジに行くことに。
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ラウンジ内部

 このラウンジは最高グレードのVIPクラスの乗客が利用でき、ハリム駅に戻る列車は奮発してこの席を予約していたのだ。値段は60万ルピア(約5610円)とプレミアムエコノミーの3倍だったが、座り心地のいいソファーでくつろぎながら待てるのは悪くない。空港のラウンジのように飲食メニューは豊富ではなかったが、コーヒーや紅茶、菓子パンなどは食べ飲み放題だった。
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ハリム駅行きの高速鉄道

 なお、車内のVIP席の配置は、2席―1席とグランクラスと同じ。形状や白を基調としたシートのデザインも心なしか似ている気がする。おまけにこの座席は軽食付きで、列車がパダララン駅を出発するとパンとジュースが入った箱とミネラルウォーターを客室乗務員の女性が配って回っていた。しかしながら、乗り心地が良すぎるからかアッという間に到着。正直なところ、車窓の景色をゆっくり眺めるヒマもなかった。

“中国っぽさ”は終始皆無だった

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VIP車両内部

 あと、気になったのは中国が建設を請け負ったのに、駅構内の看板には中国語の表示が一切なく、車内も含めたアナウンスでも中国語は流れなかった。そこが意外といえば意外だったが、その理由について「“中国色”を払拭したい」と伝える一部報道もあり、いろんな思惑があるのかもしれない。
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住宅街が広がるバダララン駅周辺

 将来的には近郊に世界遺産で知られるボロブドゥール遺跡がある古都ジョグジャカルタ、東部にあるインドネシア第2の都市スラバヤを結び、ジャワ島横断の延伸計画があるウッス。延伸時期については未定だが、今度こそは再三にわたる延期なんてことにならないように予定通り開業してもらいたいものだ。 <TEXT/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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