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<台湾鉄道旅>乗り放題きっぷで台湾一周へ。初歩的ミスで旅の出鼻をくじかれる…

―[シリーズ・駅]―
 韓国と並ぶ近場の海外として日本人にとっては身近な台湾。この九州ほどの面積を持つ縦長の島には、沿岸部をグルッと囲むように鉄道が走っていて周遊するには便利。外国人向けの安い乗り放題きっぷも販売されており、日本人観光客にも人気だ。  そこで鉄道を使って台湾一周の旅をしてみることに。今回は2日間の新幹線乗り放題を含む、『台湾高鉄・台湾鉄道標準5日ジョイントパス』を2800台湾ドル(約1万2600円)で購入。ただし、このきっぷだと在来線の特急『自強号』『普悠瑪号』『太魯閣』には乗車できず、恥ずかしながら買ってから気づいてしまった。  ちなみにこれらの特急にも乗車可能な『特急5日ジョイントパス』(3600台湾ドル=約1万6200円)もあり、この程度の価格差ならこっちのほうが断然お得。急ぐ旅ではないので特急に乗れなくてもそこまで困らないが、鉄道ファン失格の初歩的ミスで旅の出鼻を思い切りくじかれてしまった。
台湾一周

台湾一周のスタート前日に訪れた華西街観光夜市

利用者数が50万人を超える台北駅

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夜市で食べた牛肉麵と魯肉飯

 一周の旅に出る前日、台北近郊のローカル線・平渓線の日帰り旅行(※<台湾鉄道旅>ローカル線なのに「通勤電車のような混雑」だった平渓線)を楽しみ、この日は台北市内に宿泊。夜は宿近くの『華西街観光夜市』に繰り出し、定番台湾料理の牛肉麺や魯肉飯に舌鼓。台湾に来たら毎回食べているが、飽きの来ない美味しさだ。
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台北駅に向かう途中、立ち寄った地元のパワースポット・龍山寺

 翌日の出発初日、ホテル最寄り駅の目の前にある観光名所・龍山寺で旅の安全を祈願し、いざ台北駅へ。山手線のように環状線になっている台湾は、区間ごとに「縦貫線」や「宜蘭線」「台東線」など名称は異なるが、環状線以外の路線は極端に少ない。  それでも台北駅は台湾新幹線や地下鉄利用客も多く、1日の平均乗降客は52万8290人(2019年)。首都圏や関西圏の主要ターミナル駅にも匹敵するレベルだ。

ローカルな雰囲気の宜蘭は、台北からも近い穴場の観光スポット

台湾一周

あまりに大きすぎる台北駅。外にはSLが展示されていた

 それだけに駅建物も大きく、中央にはテニスコート約4面分、7階建ての巨大な吹き抜けもある。さらにコンビニやファストフード店、地下街などどこか日本の駅っぽい。そんな台北駅前の広場には「LDK58」と呼ばれる日本製の蒸気機関車が展示。台湾当時時代の1915年から1982年まで使用されていたという。
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動物園の入口のような雰囲気の宜蘭駅

 午前中は台湾初代総統・蔣介石の顕彰施設の「中正紀念堂」、昔ながらの街並みが残る「迪化街」といった地元の有名観光スポットを巡り、正午過ぎに台北駅地下ホームから出発。乗車したのは日本の快速に相当する「区間快車」で、この日の目的地・宜蘭駅には約1時間50分で到着。ジャングル柄が描かれた外壁にキリンのオブジェが象徴的な駅舎は、まるで動物園の入口のようだ。  市内のホテルにチェックインした後は、長さ約30メートルの列車のオブジェが吊るされた「丟丟当森林公園」や日本統治時代に建てられた「旧宜蘭監獄門庁」などに寄りながら街ブラ。人もそれほど多くないし、のんびりした感じで歩いていて気持ちいい。
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花蓮名物“メロンパンのようなかき氷”に感動
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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