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常連客は84歳。30代風俗嬢が直面した高齢者の性事情「冥土の土産に本番させて」――大反響トップ10

ガンで余命宣告されたお客さんに…

 これまで5年ほどで、延べ1000人近くのシニアに奉仕してきた橋本さん。そのなかでも印象的だったお客さんについて聞いてみた。 「心に残っているのは、ガンで余命宣告2年を告げられた方ですね。最初にお会いした時、先が短いことを告白され、『あの世に貯金は持っていけないから好きなように使う』と話していたのを覚えています。自分が死ぬ前にやりたいリストが書かれた終活ノートも見せてもらいました。  当初は月1~2回ほどのペースで来ていました。薬の副作用からか動くのをつらそうにする瞬間も多々ありましたが、元気な時は自分が描いた絵を見せてくれたり、デートのように外出することもありました。  それが1年ほど経ってからですかね。徐々に通う頻度が減り、予約を当日キャンセルする機会も多くなり、姿を見る回数も減っていきました。店のルール上、連絡先を交換することも禁止されていたのでいつ連絡が途絶えるかわからない」

最後にお礼をして帰っていったきり

橋本詩織「またそれから数か月した後に会った時、『もうこれで最後になるかもしれない』と。あくまでも仕事なので客に感情移入することはないですが、その時だけは複雑な気持ちでしたね。なにか話そうとしてもぎこちなく、相手もやけに口数が少ない。沈黙が気まずかったのを覚えています。  一連のプレイはうわの空で覚えていませんが、最後に『今までどうもありがとうございました』とお礼されたのを覚えています。それを最後に、本当に連絡は来なくなりました。お客さんなんてあくまでも他人ですが、その方のことはいまでもたまに思い出します」  先が短いからこそ、自由な余生を過ごしたいと通う高齢者も存在する。他にも勃起しないのに通う客もいれば、キャストとの触れ合いを求める客など、風俗に通う高齢者には込み入った事情があるようだ。 <取材・文・撮影/佐藤隼秀>
1995年生まれ。大学卒業後、競馬会社の編集部に半年ほど勤め、その後フリーランスに。趣味は飲み歩き・散歩・読書・競馬
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