更新日:2024年04月24日 19:13
お金

しゃぶしゃぶ食べ放題店“サイドメニューの充実化”が止まらないワケ。気になる店側の台所事情

絶対にお得感がある和食メニュー

和食さと

和食さとでは配膳ロボットが稼働

 極端に言えば、食べ放題メニューをロスリーダー(収益を度外視して極端な低価格で販売する目玉商品)として集客し、それ以外のメニューを召し上がるお客さんから利益を確保するということも可能である。和食独特のメニューで天婦羅、ステーキ、茶碗蒸し、にぎり寿司や天丼、お吸い物、うどんやそばなどのフルコースもあるからだ。この価格で食べ放題とは絶対にお得感があるが、お店側からすると有難いのではないだろうか。  この食べ放題プランに少人数で食べにいくのもったいない。なぜなら、あまりにも食べ放題の対象メニューが多すぎるからである。家族連れでも食べ盛りの子供を連れて行ったり、宴会で行って、全てのメニューを少しずつ食べたくなるのが本音だ。  もちろん、今回は食べられなかったメニューを次食べたいといった来店動機につながることは、店には嬉しいだろう。

最初は混乱した料理提供も落ち着き円滑に!

 最初の頃は追加料理が出てこず、クレームも頻繁に発生し、時間を延長させろという声も多かったようだが、この人気プランに注文も増え、ホール・キッチンともに熟練度合いが高まった。オペレーションの業務改善も進んで、スムーズに提供できるようになったようだ。  最近はメニューの幅がさらに広がり、定番になった焼肉の基本プランにフグやカツオなどを付加した季節折々の旬の料理も食べ放題にセットされており、顧客の来店頻度を高める動機付けになっている。  社長は2代目だが、さらなる事業規模の拡大に向け、M&Aにも積極的な姿勢である。社長自らが現場に出向き、従業員とフレンドリーに接して現場を鼓舞することを欠かさないという。現場を大切にし、成長意欲が旺盛な企業であり、今後も期待したい。 <TEXT/中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
1
2
3
4
おすすめ記事