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富士山ローソン、京都、浅草…殺到する外国人観光客に「もう限界!」困惑する現地住民の声

オーバーツーリズムで最も大きな被害を受けている京都

混雑の京都市バス

「市民が乗れない京都市バス」と揶揄されるほどの混雑ぶり

 こうしたなか、オーバーツーリズムで最も大きな被害を受けているのは京都だ。 「年中、観光客だらけで大迷惑です。つい先日も知人宅の植木鉢がキャリーケースでなぎ倒されたと嘆いていました。とにかく街中でゴミと渋滞が増えました。市内から郊外に引っ越しを検討し始めた友人もいます」(京都市内の住民)  舞妓を無断で触ったり、撮影する外国人観光客の存在でトラブルが絶えない祇園地区では、地元協議会が4月に私道の小路を通り抜けた場合、罰金1万円を科すと記した「通り抜け禁止」の高札を設置。ほかにも恒常的なバスの混雑で市民は疲弊している。 「中心部から観光地へと向かう市バスは20~40分待つことも。もう歩いたほうが早い。通勤電車も、観光客に占領されて座れなくなった。本当つらいですよ」(同住民)  京都市交通局にコメントを求めると「一部路線と時間帯に観光客が集中し、バスに乗れない方がいるのは事実。キャリーケースと一緒に乗車することで、定員に満たない状態で発車することもあります。現在、路線の見直しなども行っている」とのこと。  京都市ではバスのダイヤを変更したり、市民と観光客のすみ分けを実施するなど対策を急いでいるが、効果は未知数だ。そのため今も地域住民は不安を抱いている。

「カフェを無料休憩スペースだと思っているみたいです」

 こうした事態は全国各地で起きている。担当記者がまず東京駅で見たのは、カフェ店内にスーツケースを持ち込み、くつろぐ4~5人のアジア系旅行者だ。だが、テーブル上にカップは1つしかない。店員に聞くとこう返した。 「雨の日は特にひどい。一人1杯の注文をお願いする看板を出していますが、あまり効果はないです。カフェを無料休憩スペースだと思っているみたいです」  駅構内の女性トイレには、テーマパークの乗り物待ちのようにロープが張られ、50人近い人が並んでいる。これでは間に合わない人もいるのではと心配になった。  新幹線のホームに行ってみると、駅員に連れていかれる外国人観光客の姿が。どうやらグリーン券を持たずに、グリーン車の空席に座っていたようだ。
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受験生や新社会人が泊まるホテルがない
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