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「夏休みの宿題は必要」東大生が断言。宿題でしか身につかない“ある能力”が人生を左右するワケ

「夏休みの宿題」は受験の予行練習

受験のシミュレーション 夏休みの宿題は、「やるべき仕事量が決まっている状況」で、「8/31までに終わらせる」と〆切も決まっているような課題です。これが自分で管理できないのであれば、1年近くにも及ぶ受験勉強について、〆切を遵守できるはずもありません。  夏休みの宿題の本質は、勉強内容の復習ではなく、1か月~2カ月という長期休みの中で、自分で学習計画を立案し、それを遂行するシミュレーションにあるのです。  だからこそ、「夏休みの宿題を親が代わりにやる」なんてもってのほかです。シミュレートが台無しになってしまいます。そういった家庭はきっと、「塾の出した課題を闇雲に解いていれば、難関大に合格できるだけの実力が手に入っている」と素朴に信じているのでしょう。  確かにそれは間違いありませんが、それで出来上がるのは「自分で学習計画ひとつも決めたことがない、お勉強だけできる大学生」です。  彼らは、管理された状況では人一倍のスコアをたたき出しますが、「自分の判断で納期を切って進める仕事」に直面した瞬間に、フリーズしてしまうきらいがあります。世間で耳にする「東大までの人」のイメージとピッタリ合致するように感じられるのは私だけでしょうか?

親が意識すべき2つの約束

 子どもの自立を信じるのであれば、夏休みの宿題は手伝わないこと。そして、進捗度合いについても口を出さないこと。この二つの約束が重要です。  前者はもってのほかとして、進捗度合いに口出ししないことも重要。「納期を守る」ことと「早く終わらせる」ことは無関係だからです。  極論、8月31日時点で終わっていなくても、9月の登校日の朝にすべて終わっていれば、何も問題はありません。「締め切りを守る」ことが重要であって、その過程は問われない。この自由度が、子どもの自立心を育みます。  自分でスケジュールを組み、その中で遊び、学び、成長する。これこそが、学生時代の夏休みの醍醐味でしょう。この夏は、すべて子どもに任せて見守り続けてみるのはいかがでしょうか。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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