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「日本と中国の違いすら…」黒人侍“弥助”で炎上の仏ゲーム、問題は時代考証だけじゃない。東大生の考察は

『アサシン クリード シャドウズ』が炎上中

アサシンクリードシャドウズ 『アサシン クリード』というゲームをご存じでしょうか? 世界トップメーカーのユービーアイソフトが手掛け、プレイヤーは十字軍時代のヨーロッパや、古代エジプトなど様々な時代地域でアサシン(暗殺者)となります。メインシリーズだけで10作以上もつくられている長寿タイトルです。 『アサシン クリード』はシリーズごとに時代や地域設定などが異なり、次作『アサシン クリード シャドウズ』(以下、『シャドウズ』)は、ついに戦国時代の日本が舞台となりました。同シリーズには日本人のファンも多く、日本の町を駆け巡るアサシンの姿を熱望した方も多いはず。  しかし、いまこの最新作が大炎上しています。一見すると、「主人公が、日本人ではなく黒人だから」と捉えてしまいがちですが、実はこの問題の背景には、もっと根深いものがありました。今回は、その理由をお伝えします。

信長に仕えたとされるアフリカ人・弥助がなぜか「伝説の侍」に

弥助

『アサシン クリード シャドウズ』で主人公として登場する弥助。公式サイトより

 そもそも、問題となっている『シャドウズ』は、侍の弥助と、くのいちの藤林奈緒江が主人公のダブルキャスト作品です。代々シリーズを通してアサシンは現地人が常でしたが、今回はアフリカ人の弥助が起用されています。  弥助は、キリスト教宣教師に連れられて訪日し、信長に仕えたとされるアフリカ人であり、彼については少ないながらも歴史文献に記述があります。ただ、本当にわずかな記述しかない上に、彼を侍と断定できる証拠はないようです。  実際、『信長公記』などを見ても、弥助についての記述は薄く、彼をテーマに一冊の本を仕上げるには、多くを想像で補わなくてはならないでしょう。  ユービーアイソフトは『シャドウズ』を当初は「慎重な考証を重ねた歴史的正確性の高い作品」として認識しており、インタビューでもそう紹介していました。  ですが、先ほど述べた通り、弥助を侍と断定するには言い難いにも関わらず、「圧制者から日本を救う伝説の侍」とするなど、正確性が高いとは言えません。
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「正方形の畳」に違和感
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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