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日本初のタワマンに住む70代は「一生モノの買い物と思ったのに…」。各地で“老朽化”が進むタワマンに住民が悲鳴

高すぎる修繕費は水増しだらけ?

 別所氏にタワマンの大規模修繕費のモデルケースを示してもらったのがこちらだ。 外壁工事……………30億円 給排水管更新工事…20億円 エレベーター交換…15億円 インターホン更新…3億円 自動ドア更新………1億円 その他共有部など…1億円 合計…………………約70億円 ※築30年/40階建て/1000戸/2回目の大規模修繕費を想定  いかに高額になるかが一目瞭然だが、別所氏は「こういった概算も、実際には安くできる可能性が高い」と話す。 「管理組合が修繕をする会社に見積もりを依頼すると、専門用語だらけの高額な工事見積書になるでしょう。相場がわからなければ適正価格か判別するのは困難です。実際、工費が高くなりやすいことをいいことに、予算を水増ししやすいという実情があるんです。マンションデベロッパー、管理会社、設計会社、工事会社などすべてが談合して管理組合から根こそぎ修繕費を引っ張ろうとすることは何も珍しい話ではありません」  実際に相見積もりを取ると60%増しされていたことが判明したこともあったという。

従業員を入居させ「修繕委員会」に仕立てる事例も

「より悪質なのは、組合に業者が入り込むケース。関係する会社が住戸を購入し、従業員を入居させ、善意の住民として修繕委員会に立候補し、関係業者を引き込もうとするのです。戸数の多さから管理組合は無難な大手の設計・工事会社を選んで相見積もりを取らないことが多いですが、工事費をきちんと見られるコンサルタントが重要です。この70億円の概算だってコンサルが入れば40億円程度に抑えられるでしょう」  無駄な修繕費は、長期保全の足かせにしかならない。 【マンションコンサルタント・別所毅謙氏】 二級建築士、防災士、建築系資格数種類を取得。管理組合へのアドバイスやコスパのいい大規模修繕工事コンサルティングを手がける 取材・文/週刊SPA!編集部
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