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【追悼】「昭和が終わった気がする年」2024年に亡くなった著名人・有名人…思い出とともに振り返る

【5月】中尾彬さん

 5月16日、俳優の中尾彬さんが心不全のため亡くなった。享年81歳。  武蔵野美術大学油絵学科へ入学、その頃に遊んでいた仲間たちとともに「野獣会」と呼ばれ、六本木で目立ちまくりの存在となったヤング中尾彬。まさに、漫画の世界のような青春時代を送った後、俳優になった彼は映画『本陣殺人事件』で金田一耕助を演じるなど男っぽいイケメンとして脚光を浴びた。  その後、次第にアクの強い役回りが目立つようになった中尾さん。2時間もののサスペンスドラマでは女性の首を締めて殺す男をやたら演じるようになり、映画『アウトレイジ ビヨンド』では加瀬亮から好き放題されるなど、年齢のわりに変な大物感がないのが良かった。  悪役として三番手くらいのポジションだった中尾さんがバラエティ番組へ活路を見出し、功を奏したのも痛快だった。特に忘れられないのは、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)で江守徹と2人してバナナマン・日村勇紀を呼び出し、どちらが演技が上手かを問い詰めた「人間性クイズ」である。2人に強い圧を掛けられ、「どちらも上手いから決められません」と日村が泣き出した場面は今なお思い出す名場面だ。  最期は病室ではなく、愛妻・池波志乃に看取られて眠るように逝ったという中尾さん。最高の死に際ではないだろうか? さすが、芸能界を代表するおしどり夫婦だ。

【5月】今くるよさん

 5月27日、お笑い芸人の今くるよさんが膵がんのため亡くなった。ちなみに、相方・今いくよさんが亡くなったのは2015年5月28日。相方と命日はたった1日違いである。  京都明徳高校ソフトボール部の頃からの付き合いの2人だ。「私はピッチャーでエース、くるよちゃんはキャッチャーでロース」といういくよくるよの漫才があるが、本当のところはいくよさんがセンターを守る強打者でくるよさんは控えのキャッチャーだった。  俗に「いくよがボケでくるよがツッコミ」と言われるが、明確に2人をボケツッコミで分けるのは難しく、実際は「両ボケ両ツッコミとするほうが合っている。第2回「花王名人大賞」最優秀新人賞を受賞したコンビで、キャリアはオール阪神巨人よりも上。だから、劇場ではいくよくるよがトリで登場することが多かった。 『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)の栄えある第1回は、ビートたけしがくるよさんに「ブスだねえ」と言ってから、全員で「オレたちひょうきん族!」とタイトルコールを発するオープニングだった。今も男社会のお笑い界だが、この世代の女性芸人は本当に大変だったと思う。  大御所になっても変にご意見番にはならず、あくまで芸人として生きた漫才師だった。
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桂ざこばさん、ピーコさん
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