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【追悼】「昭和が終わった気がする年」2024年に亡くなった著名人・有名人…思い出とともに振り返る

【6月】桂ざこばさん

 6月12日、落語家の桂ざこばさんが喘息のため亡くなった。享年76歳。  88年より「桂ざこば」を襲名したが、やはり桂朝丸時代の活躍が印象深い。『テレビ三面記事 ウィークエンダー』(日本テレビ系)では泉ピン子と双璧をなすおもしろさを誇り、まくし立てるようなあのしゃべり方は強烈なインパクトだった。  正直、お世辞にも落語がうまいとは言えず、タレントとしてもどう評価してよいかわからない人だった。若手時代、「男同士でほんまにできるんやろか?」という話になり、笑福亭鶴光と実践を試みた逸話は有名。つまるところ、彼の最大の武器は人間的魅力だったのだと思う。  仲の良かった後輩・北野誠が謹慎を食らった際、ラジオ番組で「何を言うたんや、北野誠? バーニング!」と叫んだざこばさん。選挙特番に出演した際は、公明党の候補者について「落選したのは信心が足らんということですか?」と口にし、場を騒然とさせたシーンも忘れられない。芸とは結局、生き様のことである。それをまざまざと見せてもらった。

【9月】ピーコさん

 9月3日、ファッション評論家のピーコさんが敗血症による多臓器不全のため亡くなった。享年79歳。  文化服装学院を卒業した経歴を持つが、「ファッション評論家」よりも好き放題言えるタレント業こそがこの人の本業だったと思う。それは、「映画評論家」が肩書きの弟・おすぎさんも同様。それほど、2人のマシンガントークはすごかった。おすぎとピーコがテレビ界の天下を取っていた時代は確実にある。  晩年は認知症を患ったおすぎさんを介護しようと2人で同居したものの、結局おすぎさんは施設へ引き取られることになり、しばらくしたらピーコさんも認知症を発症したと伝えられている。ピーコさんの葬儀の喪主はおすぎさんが務めたが、おすぎさんがピーコさんの死を理解することは難しかったそうだ。  つい4年前まで2人の冠ラジオ番組は存在したし、ピーコさんは3年前まで『5時に夢中!』(TOKYO MX)などテレビにも出演していた。時の流れの無情さを感じる。  ピーコさんが亡くなるまでに、社会のLGBTに対する理解は多少なりとも進んだ。それは、ピーコさんとしても浮かばれた気持ちだっただろうか? 合掌。
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小林邦昭さん、大山のぶ代さん
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