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【追悼】「昭和が終わった気がする年」2024年に亡くなった著名人・有名人…思い出とともに振り返る

【12月】小倉智昭さん

 12月9日、キャスターの小倉智昭さんが膀胱がんのため亡くなった。享年77歳。  小倉さんといえば、個人的に『タミヤRCカーグランプリ』(テレビ東京系)と『世界まるごとHOWマッチ』(TBS系)でのまくし立てるナレーションがまっさきに思い浮かぶ。声だけでワクワクさせる絶品ナレーションは、今も忘れられない。  つまり、小倉さんの知名度が上がったきっかけは“声”だった。テレビ東京を退社し、全国的に小倉さんの顔を知る人は少ないはずなのに、あの甲高い声と江戸っ子風のしゃべりだけで人気が上昇したのはすごい。  その後、92年にスタートした『ジョーダンじゃない!?』から2021年に終了した『とくダネ!』まで、約30年間もの長きにわたりフジテレビ情報番組に出続けた小倉さん。テレビの向こう側で小倉さんが呼びかける「あざまぁぁーーーーす!」の声は、多くの視聴者にとって「いってきます」代わりだった。テレビで当たり前のように見ていた人が亡くなってしまうのは、正直、結構くるものがある。

【12月】渡邉恒雄さん

 12月19日、読売新聞グループ本社の代表取締役主筆・渡辺恒雄さんが肺炎のため亡くなった。享年98歳。  2024年の最後にこんな大ボスの訃報が届くとは思わなかった。これまでも“ナベツネ死去”の誤報は数度あったため、「本当に亡くなったの?」としばらく半信半疑だった。故・中曽根康弘氏は101歳まで生きていたし、てっきりナベツネも100歳を越えてもまだ生き続けると思っていたのだ。ちなみに、今年は読売新聞創刊150周年イヤー。こういう年に亡くなるとは、逆にしぶとささえ感じる。  巨人軍のオーナーになる前は野球のルールを知らず、「なぜ、右打者は打った後に三塁へ走らないのか?」と真顔で部下に聞くほどの野球音痴だったそう。04年の球界再編騒動の際に口にした「たかが選手」発言により、ナベツネは野球ファンから完全にそっぽを向かれてしまった。  田中角栄、笹川良一、池田大作、渡邉恒雄と、昭和から平成の日本の方針を作った人たちはみな亡くなった。「憎まれっ子世に憚る」という言葉があるが、やっと昭和が終わった気がする。 =====  2024年は本文で言及した篠山紀信、曙太郎、西田敏行だけでなく、小澤征爾や鳥山明、谷川俊太郎など各分野で頂点を極めた人の訃報が多かった。大物がこれほど立て続けに亡くなった年は、これまでなかったように思う。  年を取るということは、知っている人の死をたくさん見送らなければならないということ。そしていつしか同世代は減っていき、やがて自らも逝くのだ。それは誰も避けられない。 <TEXT/寺西ジャジューカ>
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