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2月1日から“1400円”に値上げ…QBハウスは“1000円カット市場”で今や割高。勝負を左右する「価格以外の要素」

「電子カットカルテ」で仕上がりをコントロール

 QBハウスは価格以外の要素で差別化を図らなければならず、その種まきはすでに行っています。その一つが質の均一化。  低価格ヘアカットチェーンを複数回利用した際、同じブランドでも店舗によってサービスや技術にバラつきがあると感じた人は多いかもしれません。これは担当者が異なるので当然ではありますが、利用者側からするとブランドの信頼感が下がる要因になります。  QBハウスは2021年に「QB Passport」を開始しました。これは店舗の予約や決済ができるアプリですが、機能の中に電子カットカルテがあります。これは、いつものヘアスタイルをアプリ内に登録できるというもの。担当者は顧客からの抽象的な指示に従うのではなく、仕上がりをイメージしながら仕事ができます。会社にとっては質をコントロールできるのです。  また、顧客はどの店舗でも「いつもの」という感覚で注文ができます。男性はヘアカットのオーダーが苦手だと感じる人が多く、ターゲットにフィットしたサービスだと言えるでしょう。  国勢調査によると、全国の理美容業に従事する人の平均年齢は61.4歳。個人店が多いうえに高齢化が進んでいるため、中高年の男性の馴染みの店が中長期的に消失することは避けられません。今後、QBハウスはその需要を獲得することになるでしょう。  サービス力を上げることができれば、常連客の獲得に弾みをつけることができます。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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