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「毎日パンを買いに来る」70代男性には“真の目的”が…女性店員に“あり得ない要求”をして警察に通報されるまで

花束持参で妻にまさかの告白

妻に告白 ある日、レジの方が騒がしいことに気づいた伊藤さんは、パン作りの手を休めて様子を見に行ったそうです。 「レジには、いつものダンディな男性がいて、妻と何やらもめている様子でした。近づくと、その男性は妻に花束を手渡していました。妻は丁寧に受け取れない旨を伝えていたようですが、なかなか諦めようとしませんでした。  レジに並ぶ他のお客様も心配そうに見守る中、私が割って入り『申し訳ありませんが、受け取れませんので、お帰りください』と伝えたところ、急に激怒したのです」  一瞬にして店内は修羅場と化しました。伊藤さんは、なんとか高齢者をなだめようと必死に声をかけ続けましたが、収まる気配は全くありません。

キレまくる老人に身の危険を感じ110番

「一体いくら使ったと思っているんだ!雨の日も風の日も、私は毎日通って大金を使っているんだぞ!私の気持ちを踏みにじるとは何事だ!」  男性はさらに声を荒げ、自分の杖を振り回し始めました。周囲のパンを次々と床に落とし、大声で叫び続けていました。 「他のお客様にもご迷惑をおかけしていたし、このままではお店が潰れてしまうと思い、110番しました。すぐに警察官が駆けつけ、その男性は連行されましたが、パトカーに乗るまで大声でわめいていました」  後日、警察から連絡を受けた伊藤さんによると、その男性は奥様に一目惚れし、日々その思いが強くなり、少しでも振り向いてもらおうと毎日パンを購入していたとのことです。 「私も、自分の対応が良くなかったと反省していますが、改めて高齢者との接し方には慎重になるべきだと学びました」 <TEXT/八木正規>
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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