食べ物の勝手な撮影は是か非か? 飲食店のホンネ【写真撮影否定派の意見】
デジカメの普及、携帯電話の写真機能の向上、スマートフォンの普及、そして何よりも一人一人が情報を発信することができるTwitterやFacebookの人気によって、気軽に食事を写真に撮ってアップする人はここ数年で急増している。こうした店内における撮影について、飲食店側がどのように思っているのだろうか。飲食店関係者に話を聞いてみることにした。
◆写真撮影否定派
「ウチは取材の類いはお断りしてるんですが、無断で撮られてた写真がブログなんかに紹介されているんです。写真を撮られてるお客様には『ご遠慮ください』とはお願いしているのですが……。そうしたブログなどを見た雑誌やテレビの方から取材の依頼があるんですが、断ると『食べログには出てるのに……』なんて言われてしまうので、なんとも心苦しいですね」(都内・フランス料理店店長)
「こっちが黙ってると、天ぷら揚げてるとこを覗き込んでパシャパシャやるから、油が跳ねて火傷されたらたまったもんじゃない。『火傷されたらたまんないから、勘弁してください』って言うんだけど、天ぷら出すたんびに写真撮って、携帯でカチャカチャしてね。もっと落ち着いて味わってほしいもんだよ。やっぱメシ食う時に写真をパシャパシャやるってのは、どうにもカッコよくない。粋じゃないっていうのかなぁ」(都内・天ぷら店店主)
「ユッケの一件で、生肉に対してデリケートな時期がありましたよね。私の店では、禁止の通達が出るまでは生肉を提供するという方針だったんですが、メニューには一言『店員までおたずねください』と書いて、一応“聞かれたら出す”という形にしていたんです。普段は常連さんが8割くらいなんですが、ある時から急にお客様が増えたんです。それはどなたかが写真をTwitterにアップして『まだレバ刺し、ユッケが食べられる店』って書いたんです。いらっしゃるお客様からは『なんで出せるの?』とか『本当に大丈夫なんですか?』と言われて、そのたびにいろいろ説明してたいへんでした。この一件以来、店内での写真撮影はお断りさせていただいています」(神奈川県・焼き肉店オーナー)
「ラーメン好きの方が団体で来て、カウンターにズラッと並んで一斉に携帯を出してカシャってやられたことがあるんだけど、あれはちょっとびっくりしたなぁ。写真撮影禁止ってワケじゃないけど、他のお客さんがギョッとしちゃうようなことは勘弁してほしいね。あと、ブログや食べログなんかを見ると、なんでかしんないけど、わざわざトイレの中まで写真撮られてたりね。なんでこんなとこ撮るのかなぁって思うよ」(都内・ラーメン店店長)
「いくら携帯のカメラが良くなったって言ってもさ、限界はあるじゃない。撮られた写真を見るとさ、美味そうじゃねぇんだ。ああいう写真見た人がね『この店はこういう鮨なんだ』って思われるのは勘弁」(都内・鮨店店長)
往々にして否定派の意見は、「ほかのお客さんに対して迷惑になる」や「食事する時のマナーとしていかがなものか」という声が多い。筆者も飲食店の取材をしたことは何度かあるのだが、食べログなどに掲載されているのに取材拒否なんてことが多々あり、食べログに掲載が……と問うと苦々しい声で「あれは勝手に撮られちゃったんですよ」と言われた経験は何度かある。
では、肯定派の言い分はと言うと……
※【写真撮影肯定派】の意見に続く⇒https://nikkan-spa.jp/222284
<取材・文/テポドン>
― 食べ物の勝手な撮影は是か非か? 飲食店のホンネ【2】 ―
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