早期発見困難な『すい臓ガン』の予兆とは?
―[30代[死に至る病]の微妙な兆候]―
仕事もプライベートも何かと忙しい30代。しかし、「忙いから」と健康を疎かにしていると、気がついたときには「すでに時遅し」となりかねない病気にかかってしまうことも。日常生活で見過ごしがちな“体の異変”を察知できるかが大事になるのだ。各分野の専門医の警告と、体が発する“サイン”に耳を傾けるべし!
◆お腹に違和感がある、背中が痛い、何だか気持ちが悪い ⇒ すい臓ガンの可能性
ガンの中でも治療が最も難しいと言われるすい臓ガン。原因は、初期症状がほとんどなく早期発見が極めて困難で、進行が早いことにある。
「初期症状は『お腹に違和感がある』『背中が痛い』『何だか気持ちが悪い』といった程度。忙しい日々の中では、気にも留めない人がほとんどでしょう」(東京医科歯科大学の西多医師)
そのため、ひどい腹痛や体重の減少といった明らかな不調が表れ始めた頃には既にガンが進行していたり、ほかの臓器へ転移しており、手術ができない状態になってしまっている場合が多いという。
「また、すい臓は胃と背骨の中間あたりという体の奥深くに位置しているため、CTやMRIなどの画像検査でも初期の段階では非常に発見しにくいという問題があります。実際、内科の検査では異常がなく、『お腹の違和感が続くのはうつ病のせいでは?』と精神科に回された患者さんが、実はすい臓ガンだったケースもあります。精神科の治療でも改善が見られず、定期的に検査を重ねた結果、やっと発見されたんですね」(同)
少しでも早い発見のため、些細な予兆も見逃さないようにしたい。
【西多昌規医師】
東京医科歯科大学。精神科医・医学博士。東京医科歯科大学を卒業後、ハーバード・メディカル・スクール精神科研究員を経て、現職。近著に『「器が小さい人」にならないための50の行動』(草思社)
― 30代[死に至る病]の微妙な兆候【10】 ―
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