【山本JAPAN】捕手不足を補う秘訣は、横浜DeNAにある!?
10月のMLBはプレーオフの時期。現在は地区シリーズが真っ盛り。黒田・イチローが在籍するヤンキースは、オリオールズとデットヒートを繰り広げた末にリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。
そんななか、ホーム2連敗のあと敵地3連勝というリーグ史上初の大逆転劇を演じ、地区シリーズを勝ち上がったサンフランシスコ・ジャイアンツは、若き25歳の4番打者、ポージー捕手がチームを牽引している。
2勝2敗で迎えた第5戦。負ければシーズンが終わる瀬戸際で、満塁ホームランをかっ飛ばし、チームをリーグ優勝決定シリーズへと導いたポージーは、’08年のドラフト1巡目指名(全米でも5番目)を受けてジャイアンツに入団。しかもイケメンで人気だ。
’08年はルーキーリーグ、09年はA級とAAA級で活躍し、9月には2年目にして早くもメジャーに昇格。さらに10年にはルーキー捕手として史上初となる「ワールドシリーズで4番」を務めるなど、名門ジャイアンツ球団が組織を上げて育成している選手だ。
この図式を見て、ふと頭をよぎった不安がある。
’13年のWBC大会は、山本浩二新監督の下、新たなスタートを切ったが、「現在の日本代表の正捕手がいないのではないか?」ということだ。参考までに過去2大会のWBC日本代表の捕手陣を調べてみた。
●’06年大会:里崎(千葉ロッテ)、谷繁(中日)、相川(横浜)
●’09年:城島(マリナーズ)、阿部(巨人)、石原(広島)
※(所属球団は当時)
なんと、2大会連続でメンバーに選ばれた捕手はいないのだ。
◆捕手不足はまさに「国難」
’13年大会の捕手候補を挙げてみると……。打撃好調の阿部は間違いなしか。しかし故障がちで、今季も1塁手として起用された試合が多くあり、捕手としての技量もハテナがつく。
そして阿部に続くのが……。そう、適任者が不在なのである! これはもはや「国難」と言っていいのではないか。
そこで取材班が注目するのは、今季、横浜DeNAでルーキーイヤーを終えた高城俊人(19)だ。今季は2軍で64試合、打率.262の成績を残し、夏場には一軍デビューも果たした逸材。高卒1年目の捕手としての1軍出場は、あの谷繁元信以来となる快挙だそうで、高城の45試合、打率.170という一軍での成績は、谷繁の1年目(80試合、打率.175)と遜色ない。
そもそも横浜という球団は、不思議な球団である。さして強くはないものの、捕手の指名・育成には実績がある。数年前のセ・リーグのCSメンバーを思い出してほしい。中日・谷繁、巨人・鶴岡、ヤクルト・相川。3選手ともに横浜が指名して育て、そしてFAで去って行った選手だった。球界関係者にヒヤリングを行ってみても、
「高城はいいよ。捕手として『自分のスタイル』を貫く強さがある。年上のピッチャーともきちんとコミュニケーションを取れるし、経験さえ積めば打撃は黙っててもそこそこ打つようになるよ」と心強いコメントが。
引退した城島、あるいは谷繁あたりをコーチ役としてWBCではスタッフ登録し、ここは’17年、’21年大会あたりまでを見据えた「扇の要」に主眼を置いて、侍ジャパンは「日本代表捕手」の育成に真剣に取り組むべきではないだろうか。サッカーW杯日本代表が、若き日の当時17歳の市川大祐や19歳の小野伸二を抜擢したように……。
<取材・文/日刊SPA!テキサス臨時支局&NANO編集部>
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