阪神・和田、横浜DeNA中畑両新監督へのファンの評価は!?
今年のプロ野球も、まもなくオールスター戦で折り返し。シーズン前には注目を集めた阪神・和田豊、横浜DeNA・中畑清の両新監督だが、7月10日時点で阪神5位、横浜DeNA6位と低迷している。そこで、両チームのファンに前半戦の采配ぶり、監督自身のキャラクターについて聞いてみた。
まずは阪神・和田監督。
「現在のチームの低迷は1、2軍通した全体的な戦力・実力不足が原因であり、和田監督は必要以上に叩かれすぎている感があると考えます。不満がまったくないわけではありませんが、個人的には監督はあのチーム状況でよくやりくりしていると思います」といった同情論がある一方、「落合監督を見てしまったので、和田さんには思い切りが足りないと感じてしまいます」と前中日監督と比べて物足りなさを指摘する声も。確かに采配そのものはオーソドックスだし、選手起用も意外性はないからなあ。
「春のキャンプでは、工夫した練習内容、若さ、スピードに変化の兆しを感じた。そこに大いに期待しただけに、シーズンが始まってからの和田監督の鈍重さに困惑しています。ベンチの中で口を結んで、戦況が悪くなるとフリーズしてしまっているようなキャラも重いし、決断が一つ一つ遅れる采配も重い」と語るのは、自称阪神タイガース評論家でメルマガ「虎バカマガジン」編集長の鳴尾浜トラオさん。
ベテラン重視、守備力軽視の選手起用にも懐疑的で、特に「一番の不満は大和の使い方。大和は超ファインプレーや果敢な走塁、さらにチャンスでの勝負強い打撃で、今季ここまで最もワクワクさせてくれている選手。いいから使えと言いたい」と苦言を呈す。
同様に「実績重視でベテランを大事にしすぎ、2軍からの若手抜擢はほぼゼロ。我々阪神ファンはいつまで大和・柴田・上本の“未来の2番打者争奪戦”だけに夢を託さないといけないのか」と嘆くのは漫画家のカネシゲタカシさん。
「和田采配の前半戦最大の見せ場は“不調の新井を一時的に4番から外し、金本にした”ところ(笑)。もう育たないベテランが必死で現状維持を競うだけのチームに何の魅力がありましょうか。チームの風通しの悪さが、そのまま阪神ファンの元気のなさにつながっていると思います」との意見にうなずく阪神ファンは多いだろう。
その点、横浜DeNA・中畑監督には、持ち前の明るさと元気さを評価する声が目立つ。
「自力優勝は消えたもののベンチの雰囲気は中畑監督によって格段によくなったと思いますし、例年に比べて戦う姿勢が見られるようになりました。それだけでも十分な成果ではないかと思います」
「中畑監督は野手、投手ともに選手を育てようという姿勢が見えると思います。この前の加賀美のように先発をなるべく引っ張ったり、梶谷を使い続けたり。なかなか最下位脱出は難しいから、その姿勢は個人的には評価したいです」
「相変わらず最下位なのに、なぜか負けてる気がしないのは中畑監督の人柄が選手にもファンにも伝わっているからだと思います。最初に決まったとき、『終わった……』と思った私を殴りつけてやりたい。中畑監督でよかった!」
などなど、最下位にもかかわらず希望に満ちたコメントが続出。長年の横浜ファンの編集者・八巻和弘さん(西原理恵子『人生画力対決』担当)も「どんな形であれ、横浜ベイがスポーツ新聞にたくさん取り上げられるようになったのはうれしいです」と語る。「でも、横浜DeNAとは一生言わないと思います(笑)」というのはまあ、仕方ないか。
阪神ファンにもかかわらず、スポーツナビで中畑監督をネタにした『週刊キヨシくん』とベイスターズの白星を食べて育つキャラ『ベイスたん』を連載する前出・カネシゲさんも中畑監督の「監督兼宴会部長」キャラを評価。「陽気なキヨシ、怖いデニー、冷静な高木豊と、横浜首脳陣は役割分担がはっきりしていて、見ている分にはなかなか楽しいですね」と笑う。采配面でも「20歳の筒香をクリーンアップで使い続けたり、荒波を育てたりと一定の評価はできる」と言うのは、いわゆる“隣の芝生は青く見える”のとは違うだろう。
さて、オールスターを挟んでの後半戦、両チームの巻き返しはあるのか。巨大戦力の巨人に独走させないためにも、さらなる奮起を期待したい。 <取材・文/新保信長>
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