ターゲットはアラサー!? 『セーラームーン』の新展開
「流行は繰り返される」という。確かに我々が幼少期にハヤっていた事象&アイテムが、あるものはかたちを変え、またあるものはそのままのかたちで注目されている。そこで、再ブレイクの仕組みとその魅力を紐解いてみた!
◆長年の”思い”に応えて再ブレイク<セーラームーン、宇宙戦艦ヤマト>
ブーム再燃中の懐かしの作品といえば『美少女戦士セーラームーン』と『宇宙戦艦ヤマト』ですね。
『セーラームーン』で今、目立っているのは20周年をきっかけに展開が始まったファッション関係の商品。ターゲットはアラサーになったかつてのファン。例えばバンダイはコスメのライン「ミラクルロマンス」をネットで展開。第1弾「シャイニングムーンパウダー」などの発売時には注文殺到でサイトが落ちました。また「セーラームーンなりきりブラセット」などファッションブランドとのコラボも積極的に展開中です。7月からは新作『美少女戦士セーラームーンCrystal』がニコニコ動画で全世界同時配信される予定です。
『宇宙戦艦ヤマト』は’12年に『宇宙戦艦ヤマト2199』としてリメイクされました。全26話を全7章に分けて劇場で上映したところ最終章は興行収入1億円を超えるヒットになりました。旧作の魅力はそのまま保ちつつ、敵味方側の人間ドラマを厚くしたほか、3DCGを活用してハードなメカ描写を展開するなど、40年前にはできなかった「見たかった映像」を現代のセンスできっちり見せたことが人気の理由。それが50歳前後のオールドファンを劇場に向かわせたようです。’14年には完全新作の劇場版が公開される予定です。
2作ともかつてのファンの「ほしかったもの」「見たかったもの」にしっかり応えている点が今のブーム再燃につながっている理由だと思います。
★再燃のワケ
オールドファンの思いを詰めて再アニメ化
【藤津亮太氏】
アニメ評論家。主な著作に『チャンネルはいつもアニメ ゼロ年代アニメ時評』(NTT出版)など。カルチャーセンターでアニメ関連の講座も行う
― ’80~’90年代[懐かしのブーム]が再熱する理由【3】 ―

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『宇宙戦艦ヤマト2199』 21世紀「ヤマト」が再びアニメの歴史を塗り替える ![]() |
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『チャンネルはいつもアニメ―ゼロ年代アニメ時評』 ワンランク上のアニメの楽しみ方を! ![]() |
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