意外と多い!? Jリーグから羽ばたいたW杯戦士に注目
グループリーグが一巡し、ますます盛り上がりを見せるブラジルワールドカップ。ネイマールやメッシ、クリスティアーノ・ロナウドといったスター選手に注目が集まっているが、コアなサッカーファンの間では“どこかで見た顔”が多いと話題になっている。
というのも、今大会は意外なところに、以前Jリーグに所属していた選手や監督がいるのだ。スター選手のスーパープレーはもちろん、懐かしい顔ぶれを探すのも面白いかもしれない。その代表例と、サポーターの思い出を紹介しよう。
◆フッキ(現ブラジル代表選手/元東京ヴェルディ)
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
言わずと知れたブラジル代表のストライカーは、元々東京ヴェルディに所属。入団したての頃からサポーターが“セレソン”(ブラジル代表)入りを確信するほど、ぶっちぎりの存在だった。東京ダービーでは、当時FC東京に所属していた長友佑都と熱い火花を散らしていた。
「お尻を触らせてもらったことがあるんですけど、筋肉がハンパなくて、ほとんど馬みたいでしたよ」(東京Vサポーター)
“ハルク”のニックネームに恥じない身体は日本時代も規格外だったよう。同じブラジル代表では監督を務めているフェリペ・スコラーリも、元Jリーグ。日本ではジュビロ磐田で指揮をとっていた。
◆フォルカー・フィンケ(現カメルーン代表監督/元浦和レッズ監督)
W杯初戦では微妙な采配で敗戦。ネット上では雨に濡れながら、不気味な表情でピッチを見つめる姿を「日本にいたときと同じじゃねえか……」と揶揄されていた。
「それまで浦和で若い選手と言ったら、現日本代表キャプテンの長谷部誠とか細貝萌ぐらい。山田直輝とか原口元気とか、積極的に若手を使ってたのが印象的でした。もう1年ぐらい見たかったですけど、ちょうど世代交代の時期に当たってしまい、サポーターもフロントも我慢できなかったのは少し残念ですね(苦笑)」(浦和レッズサポーター)
選手ではオーストラリア代表のマシュー・スピラノビッチも元浦和。日本にいた頃は怪我に悩まされ、大きな活躍はできなかったが、ブラジルではきっと成長した姿を見せてくれるはずだ。
◆パウロ・ワンチョペ(現コスタリカ代表コーチ/元FC東京選手)
Jリーグバブルが弾けた後、久々の大物助っ人としてFC東京入りしたワンチョペ。祖国ではレジェンド級の選手で、Jリーグファンも注目していたが、まるで活躍できず、今では黒歴史となっている。
「何もできずに金だけもらって帰りやがって、明らかにJリーグを舐めてた!!引退試合でもFC東京に所属していたのがなかったことにされてたし、とてもじゃないけど、もう応援する気にならない」(FC東京サポーター)
その後、大物の加入が噂されるたびに引き合いに出されるワンチョペ。他のサポーターからは「ある意味注目を集めるようになったので、ちょっとは感謝している」という声も聞かれた。
その他にも柏レイソルでプレーし、闘将としてサポーターから愛された韓国代表の洪明甫監督や、FC琉球でプレーしていたアルジェリア代表ゴールキーパー、ライス・エンボリなど、多くの日本で活躍した選手やスタッフがブラジルの地に集っている。4年に一度のお祭りはサッカー界の“同窓会”でもあるのだ。思わぬところに見所があるので、日本戦以外も目が離せない。 <取材・文/林バウツキ泰人>
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