ゲームプレイの大革命を予感する「体感型ディスプレイ」【TGS2014おさらい】
―[東京ゲームショウ2014おさらい]―
過去最多となる421の企業と団体が出展。来場者数も歴代2位の25万1832人を記録した「東京ゲームショウ2014」を振り返る
◆体感型ディスプレイが主役!ゲームの楽しみ方が変わる?
9月18~21日にかけて、秋の風物詩ともいえる東京ゲームショウ(以下TGS)が幕張メッセで開催された。今年は、新ハードという目玉がなく、盛り上がりが心配されたが、フタを開けてみれば大盛況。過去最多の421社が参加し、出展タイトル数も初めて大台の1000本を突破した。
会場の雰囲気はひと言でいうとカオス。未来感抜群のバーチャルリアリティ機器あり、初出展となった「ニコニコ」が仕掛けるゲーム実況イベントあり、海外からの謎のインディーズゲームあり……。あちこちで歓声が沸き上がる、にぎやかなTGSだった。
◆ついに全貌を露わにした次世代の体感型機器!【HMD】
昨年から期待感がジワジワと高まりつつあったヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)。今年のTGSでは、SCEがPS4用のHMD「Project Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)」を日本初公開し、会場の視線を一身に集めた。
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首をどれだけ回しても、上下に振っても、途切れずにゲーム世界が続くというのは驚愕のひと言。没入感も高く、多くの体験者が夢中で声を上げ、全身で激しくリアクションしていた。ゲームプレイの大革命を予感させる。
SCE以外では、一歩先行して開発が進んでいるという米オキュラスVR社の「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」や、サムスン電子の「Gear VR」も体験展示が行われていた。また、HMDと組み合わせて使うバーチャル歩行器なども登場。来年はHMD元年になりそうだ。
【話題のHMDを比べてみた】
●Gear VR
サムスン電子が9月に発表した製品。オキュラスVR社の協力を得て開発され、Android端末の「GALAXY Note 4」をディスプレイとしてはめ込んで使う。発売は年内の予定。価格は未定なものの、200ドル前後になると予測されている。解像度2560×1440の有機ディスプレイを採用し、発色は美しい。携帯端末なのでOculus Riftのようなケーブルが不要なのは利点だが、スマホを差すことにより、プレイ中の動きなどによっては重く感じた。
●Oculus Rift
今年3月にフェイスブックに総額20億ドルで買収されたオキュラスVR社のHMD。ゴーグルのようにバンドで締めて装着するため、激しい動きをしてもズレにくいのが特徴。今回出展されたバージョンは、解像度1920×1080の有機ELディスプレイを採用し、応答速度も速くゲーム向き。発売日は未定だが、秋葉原「G-Tune:Garage」などでの常設展示や、イベントへの出展も積極的に行っているため、発売前に体験できるチャンスは多い。
●Project Morpheus
PS4専用のHMD。バイザー型できついベルトなどはなく、頭全体で支える方式。眼鏡のままでも簡単に着用でき、重量感もそれほど感じなかった。もう少し改良されるかもしれないが、現状でも他の2製品に比べて装着感は良い。ディスプレイは解像度1920×1080の液晶を採用。気になる発売時期は、年末商戦には間に合わず、来年以降になりそう。PS4のモーションコントローラ「Move」や「PlayStationCamera」にも対応が予定されている。
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