この春、「ルーズソックス男子」が流行の兆し
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションのバイヤーMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログやメルマガで「オシャレの正解」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第13回目をよろしくお願いします。
90年代女子高生の間ではやった「ルーズソックス」。クシャクシャっとたるみのついたボリューム感ある「ルーズな」ソックスの総称です。当時の女子高生は皆ルーズソックスを履いていたのですが、これが20年の時を経て、なんと今「メンズ」で復活しているというから驚きです。今回はその「謎」に迫ります。
▼足が細く見えることから人気となった90年代のブーム
そもそも90年代にルーズソックスがはやったのはなぜなのか? それは通常のソックスよりも断然「足が細く」見えるからです。「ボリュームのある太いソックスなんだから、足は太く見えるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は逆。ボリュームのあるソックスを履いているからこそ、対比で露出している足を細く見せる効果があるのです。たとえば、女性に人気だった「ムートンブーツ」も同じ理屈で、ボリュームのあるものを上手に使えば、視覚効果でグッと細く見せることができます。当時の女子高生はそんなことを意識せずに、「ただカワイイから」という理由ではいていたのかもしれませんが、ルーズソックスの流行にはちゃんとした理屈があったんですね。しかし今回のメンズのルーズソックストレンドは、何も「細く見せたいから」ではありません。
▼品よい細身デニムに野暮ったさをプラスする
ここ数年のメンズファッションのトレンドは「キレイめカジュアル」です。ラフなデニムを使ったアメカジスタイルや、ダボダボのパンツを腰穿きしたルーズスタイルではなく、スキニーなどの細身ボトムに無地ニットなどを使ったキレイな品よいスタイル。しかし、ファッションで一番大事なのは「バランス」ですから、完璧にキレイすぎるスタイルは「キメすぎ」です。どこかに「カジュアルさ」や「野暮ったさ」を入れる必要があります。近年はやった「野暮ったさ」をプラスしたスタイルといえば、半端な丈のパンツを使った「靴下チラ見せ」があります。キレイな細身ボトムやテーラードジャケットなどの足元に、本来見えてしまったら「野暮ったい」「ダサい」はずの靴下をチラリと見せるスタイルのことです。
これは渋谷・原宿などの「ファッション中心地」のみならず、全国的に流行が波及し、今やどこの都市でも20~30代の若者の足元は、靴下チラ見せが流行しています。当初はマイケル・ジャクソンが履いているような、ツルっと綺麗な無地ソックスなどが好まれたりもしましたが、ファッション感度の高い男性は「それでは野暮ったさが足りない」と言わんばかりに、より「ルーズな」ルーズソックスを手に取るようになりました。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=804699


―[メンズファッションバイヤーMB]―
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