スマートウォッチの“解”はG-SHOCKにあり!?
’13~’14年にかけてメディアを席巻した「スマートウォッチ」だが、今もって鳴かず飛ばずというのが現状。ブームは失速に向かうばかりなのか? その最前線に迫る
◆スマートウォッチの“解”はG-SHOCKにあり!?
⇒【前編】はコチラ
そんなわけで、現時点での「スマートウォッチへの要望」をまとめると、(1)普通の腕時計並みの耐久性とバッテリーの持ちが欲しい、(2)着信とメールの通知機能は嬉しいが、それ以外の機能は別になくてもいい――ということになる。
「そう考えると、厳密にはスマートウォッチではない一つの“回答”がすでに出ているんですよ。G-SHOCKの一部モデルは、Bluetoothでスマホと連携でき、通知を受けることができる。耐久性とバッテリーの持ちはいわずもがな。しかもAndroidとiOSの両方に対応しています。機能としての目新しさには欠けますが、大半のユーザーが求めているのはコレではないかと」(モバイル評論家・法林岳之氏)
この手の「あくまで腕時計がベースになっている“スマートウォッチ”」は、今後もっとも盛り上がるジャンルになるかもしれない。すでにスウォッチ、タグ・ホイヤーといった時計メーカーが“スマートウォッチ”への参入を表明しているが、スウォッチのCEOは「手首に装着する小さな携帯電話」を作る予定はない――と明言しており、G-SHOCKと同様のアプローチが予想される。
また、前編の「アクティビティ・トラッカー」も、健康志向のユーザーに向けて選択肢が多様化。かつては「ホワイトバンド」みたいなルックスのリストバンド式が主流だったが、「普通の腕時計」のようにビジネスシーンでも違和感なく使える製品も増えている。ネットワーク対応体重計のメーカーとして有名なフランスWITHINGS社の「Activite」シリーズは、欧米でヒットした。
◆スマートウォッチはまだまだこれから!
一方、従来型のスマートウォッチも、まだ発展の途上にある。先日、バルセロナで開催された世界最大のモバイル関連イベント「MWC2015」で話題を集めたのは「LG Watch Urbane LTE」。LTEの通信モジュールを内蔵し、単体で通信が可能なスマートウォッチだ。これなら「スマホの代わりに持ち歩く端末」として新たな需要が出てくる。
バッテリー問題については、表示する情報が多いほどバッテリーを食うのは避けられないため、そう大きな進化は期待できない。
「そんな中で注目されているのは、キックスターターでもっとも成功したプロジェクトと言われる『Pebble』。液晶の代わりに電子ペーパーをディスプレイに採用しており、約1週間は充電不要。腕時計とは比べるべくもありませんが、それでも毎日充電するのと比べればずいぶんマシです。先日発表された新モデル『Pebble Time』では、カラー表示が可能になりました」
ひとくくりに「スマートウォッチ」といっても、その性格は多種多様。「オワコン」だなんて早まるなかれ。「どんな機能が欲しいか」をわかっていれば、きっと「欲しい一品」が見つかるはずだ。
<タイプ3>
スウォッチ、タグ・ホイヤーも参入を発表!スマホと連動できる腕時計
G-SHOCKの最初のBluetooth対応モデル「GB-6900AA」が登場したのは’12年秋のこと。世間が「スマートウォッチ」に浮かれるより早く、ひとつの「正解」は出ていた。他の時計メーカーの参入で活性化が期待される
●G-SHOCK GB-6900B-1JF (カシオ)
Bluetoothと連動する次世代G-SHOCK。ユーザーにはお馴染みの面倒な設定も、スマホサイドで行えばラクラクという隠れたメリットも。電池寿命2年。実勢価格/1万5000円
●EDIFICE EQB-500(カシオ)
カシオが’14年秋に発売したBluetooth対応フルアナログウォッチ。電話着信通知機能はないが、1時間以内の新着メールの有無を確認できる。実勢価格/4万円
取材・文/SPA!編集部
ハッシュタグ