Windows Phoneが盛り上がらなかったのは、メーカーのヤル気がなかったからではない
ここ何年も変わり映えしなかったデジタル勢力図に、にわかに異変が起きている。「Windows10」を引っ提げたマイクロソフトの逆襲は成るのか!? デジタル“マイナー勢力”の今後を占う!
◆Windows Phone<スマホ>
iOS、Androidに続く第三のスマホOSとしての「Windows Phone」は、決して耳新しい存在ではない。日本では’11年に、富士通から「IS12T」という端末が登場している。だが、その後あまりにも音沙汰がなかったため、なんとなく「残念なOS」扱いしてはいないか?
「日本で長らくWindows Phoneが出なかったのは、ニーズがなかったからでも、キャリアやメーカーのヤル気がなかったわけでもなく、単に環境が整っていなかっただけ」と解説するのはモバイル評論家の法林岳之氏。
「Windows Phoneは従来、端末のスペックや動作がほぼ同じになるよう、メーカーの数を絞り込む戦略を取っていました。開発者がアプリを開発しやすい環境を狙ったためだと言われますが、結果、世界に販路を持つHTCやノキアといったメーカーが選ばれた。それ以外の理由も複数ありますが、いずれにせよ日本メーカーの参入は難しかったんです」
そんななか、クアルコムが“リファレンスマシン”と呼ばれる開発用の雛型端末を出したのが昨年のこと。ベースがある分、参入へのハードルはグッと下がった。AndroidやiPhoneと比べて、同等のスペックの端末が比較的安く作れるのもポイントだ。
言うまでもなく、今秋登場予定のモバイル版「Windows10」も強力な追い風になるだろう。
「『10』で導入される『ユニバーサルアプリ』は、PCでもスマホでもタブレットでも同じアプリケーションがそのまま動く……という代物。互換アプリの類より快適に使えるはずです。また、少し先の話にはなるでしょうが、スマホ+モニタ+キーボードでPCのように使えるようになるというコンセプトも提示されている。間違いなく、Windows Phoneはこれからが本番です」
<将来性⇒◎>
モバイル版「10」の登場は10月か。冬商戦は祭り必至
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