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人気読モ・三戸なつめ、「前髪ぱっつんガール」に宿る大人たちの遊び心

「あ、あの前髪ぱっつんのコだ」
三戸なつめ「前髪切りすぎた」

「前髪切りすぎた」(1404円)

 そんな感じで彼女を認識し始めた人も少なくないはずだ。『mer』『SEDA』『Zipper』などの青文字系ファッション誌のモデルとしてローティーンを中心に人気を博し、今月8日にシングル「前髪切りすぎた」でCDデビューを果たした三戸なつめ。作曲は、パフュームやきゃりーぱみゅぱみゅの曲で知られる中田ヤスタカ(CAPSULE)氏が手掛け、「♪ま・え・が・みを、切りすぎた~」と連呼するサビはなんとも耳に残るフレーズになっている。ただそれだけではなく、同曲はプロモーションのやり方も、なにやら世をザワザワさせている。  なんといっても、そのミュージックビデオ(MV)の数の多さだ。狐の面を被った集団のなかで赤装束に身を包んだ三戸なつめが怪しげな祭事を繰り広げる「前髪切りすぎた‐ダルマ篇‐」。歌う三戸なつめの上から漫画風タッチで少しグロテスクな絵を描く「前髪切りすぎた‐落書き篇‐」。警察ドラマに出てくるような取調室でひげ面の刑事(三戸なつめ)から尋問される少女(三戸なつめ)と、その事件の登場人物(すべて三戸なつめ)を描いた「前髪切りすぎた‐容疑者編‐」などなど、全部でなんと11本。 ●三戸なつめ Official YouTube Channel:http://www.youtube.com/channel/UCjVdFW16-zuELvfT46d6hhA
 そのどれもが独自すぎるカオスな世界観を持つ作品揃いなのだが、それもそのはずで、各MVは様々な業界で活躍する気鋭のクリエイターたちが手掛けている。前述のダルマ編は異空間演出家のコタケマン氏。落書き篇はCMプランナーの藤井亮氏で、容疑者編は映像監督の大熊一弘氏。ほかのMVでも、スタイリスト/アーティストとして活躍するめりんぬ氏や、国際的に作品の評価が高い映像作家の坂本渉太氏などなど、「よくぞこれだけの精鋭が集まったな」と膝を打ちたくなるようなメンバーだ。
 そんな“お祭り騒ぎ”の仕掛け人となったのが、電通のコピーライター・日下慶太だ。大阪の商店街を舞台に、おもしろいポスターを制作して町興しをするイベント「商店街ポスター展」を仕掛けて話題をさらった人物で、今回は、ビジュアルディレクターを務めている。  彼曰く「これからはCOOL JAPANじゃなくFOOL JAPANやね」とのこと。ちなみに、三戸なつめ(奈良県出身)をはじめ、今回のMVを作成したのは多くが関西出身のクリエイターたち。独創的な世界観のなかに、“関西ノリ”ともいえるユーモラスさが混ざっているのも、これら作品群の特徴だ。
 サウンドを支える中田ヤスタカ(CAPSULE)氏も含め、“いい大人”たちが、三戸なつめというアイコンを経由して遊びに遊びまくっているという、今回の動き。では、当の本人はどう思っているのかというと、「どれも個性的で、内容ももちろん気に入っているんですけど、なにより監督さんとの思い出がすごく印象に残っているんですよね。濃い人ばっかりだったから(笑)」とのこと。 「これからもいろいろ楽しいことに挑戦して、ファンの人たちに笑顔になってもらえればなって。思わずプッて笑っちゃうようなモデルさんって、あまりいないじゃないですか? 真面目にふざけちゃう感じというか。ストレートに『笑顔になろうよ!』とか言われても、『なれないよ』って思うときもあると思うから、そういうときに私の映像とかを見て、思わずプッと吹き出しちゃうような、そういうアーティストになれればいいなって」  単に“Kawaii”だけではない、新たなカルチャーの先陣になりそうな期待感。彼女と彼女を取り巻く大人たちに、今後も要注目だ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
前髪切りすぎた

人気読者モデル、三戸なつめのメジャー・デビュー・シングル。Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅなどを手掛ける中田ヤスタカ(CAPSULE)の全面プロデュース作品

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