本当は恐ろしい人工知能の世界――経済情報を捏造して、市場を操作することも!?
―[本当は恐ろしい[人工知能]の世界]―
世界中の大企業はなぜ、人工知能に入れ込むのか。それは人工知能が製造業、IT・情報、金融、医療、軍事などあらゆる経済分野の生産性や効率、そして利益を大幅に上昇させると期待されているからだ。最新技術の調査を手掛けるEY研究所は、日本における人工知能関連市場規模が今年の3兆7450億円から、’30年には約87兆円にまで成長すると予測する。
経済情報を捏造して流し、市場を操作することも可能?【投資・ビジネス】
すでに人工知能が採用されている金融分野では、弊害は問題になりつつある。というのも、市場では人工知能が人間のついていけないミリ秒単位で取引を繰り返すため、人間が把握しきれない状況が生まれ、大規模な経済的混乱に繋がるからだ。
「代表的なのは’10年のユーロ危機。あるトレーダーの大量売りに反応した人工知能プログラムの高速判断が、経済危機の原因になったことが判明している」(ロボット専門メディア『ロボティア』編集長・河鐘基氏)
金融分野以外にも、人工知能の影響が直接及ぶビジネス領域がある。代表的なのは検索や広告などマーケティング分野だ。
「ネット上に表示される検索結果や、パーソナライズされた広告は、人工知能の導入とともに急激に発展する。今後、人間の消費行動にも大きな影響を及ぼす」(京都大学大学院情報学研究科教授・西田豊明氏)
一体、どういうことなのだろうか。西田氏はこう続ける。
「広告や検索の技術以外でも、人工知能の研究分野の中に自然言語処理というのがある。人間が普段使う言葉を人工知能が理解し、生成したりするというもの。人工知能が文章内容を要約したり、記事を書いたりできるようになり始めている。つまり、マーケティング分野で世論を喚起したり、特定の企業に有利な文書を大量につくり出すことも可能になるのです」
米Automated Insights社の人工知能が作り出した記事は、すでにAP通信や『フォーブス』に供給されており、人間が書く記事と同水準にある。
「投資用AIが利益を得るため、虚偽の経済ニュースや企業情報を捏造し、市場を操作することも考えられます」(河氏)
経済のほか、政治分野などでも悪用される懸念がある。
【河鐘基氏】
ロボット専門メディア『ロボティア』編集長。著書に『ドローンの衝撃』(扶桑社刊)など。http://roboteer-tokyo.com/
【西田豊明氏】
京都大学大学院情報学研究科教授。人工知能学会倫理員会メンバーで中心的役割を担っている
取材・文/SPA!AI取材班 ※写真はイメージです
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