「フィンテック」に大騒ぎする必要はない!? 普及に潜む問題点とは
決済インフラ入門』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』(日本経済新聞出版社)など
【お詫びと訂正】
誌面の同企画で、宿輪純一教授のプロフィールが経済博士となっておりますが、正しくは経済学博士です。訂正し、慎んでお詫び申し上げます。
※7/5発売の『週刊SPA!』では「[フィンテック]は金の使い方をこう変える!」という特集を掲載中!! <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
昨年後半から、「フィンテック」という言葉を頻繁に耳にするようになった。しかし、経済誌で語られるその定義や内容はどれも難解でいまいちピンと来ず、言葉だけが先行している感は否めない。
※フィンテックとは?……フィンテック(FinTech)とは金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語で、最新のIT技術や、スマホ端末、人工知能、ビッグデータなどを駆使した次世代金融サービス全般を指す
「フィンテックは、金融の進化のいち課程にすぎず、取り立てて騒ぐ必要はないのでは」
こう話すのは帝京大学経済学部教授の宿輪純一氏だ。宿輪氏はフィンテック全般に潜む危険性について次のように示唆する。
「フィンテックはITの発想で、送金は電子メールの、業務はウェブの発展形と捉える向きが多い。そのため金融関係の法規制や“信用”に対する問題が発生します。海外では破綻したり、当局から指導を受ける関連企業も現れ始めています」
では日本では今後、フィンテック分野はどう発展するのか。
「まず、付加価値サービスとしての会計・財務やセキュリティ分野に関しては発展の余地は多い。効率性向上やコストカットは魅力です。一方、日本は送金・決済システムの利便性が世界トップクラスなので、国内における同分野の需要はすでに満たされている。融資や資産運用についてもAIが機能するのか、またロボットに難しい資産運用の十分な相談ができるのかという点で、課題が残るでしょう」
お金の使い方が変わろうとしている昨今、顧客の利益を守るフィンテックの登場に期待したい。
【宿輪純一氏】
経済学博士。帝京大学経済学部教授。著書に『
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