メスがペニスを持つ珍しい虫「トリカヘチャタテ」をきっかけに、男女差とは何かを考えてみた【カリスマ男の娘・大島薫】
―[カリスマ男の娘・大島薫]―
見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?
この世の中でなにが男と女を分けるのだろうか。
「そんなの男性器があれば男性で、男性器がなければ女性だろう」
そんな、男性器至上主義の皆さんに面白いニュースをご紹介しよう。
人々を笑わせ、考えさせた業績に贈られる「イグ・ノーベル賞」の「生物学賞」を今年受賞した日本人らの研究チームが行った発表だ。
彼らはブラジルの洞窟で見つかったある新種の虫を紹介した。その虫、メスがペニスを持って、オスに挿入して交尾を行うのだ。研究チームらはこの特殊な雌雄逆転の虫を、平安時代の古典「とりかへばや物語」になぞらえて「トリカヘチャタテ」と命名した。「とりかへばや物語」は男女の入れ替わりを描いた話だ。
そう、もはや男性器の有無が絶対的な男女の差ではないのだ。
「いやいや、虫と人間は違うだろ」
おやおや? そう画面の前でツッコミを入れている方に、このトリカヘチャタテより以前から皆さんがよく知る性別が曖昧な動物をご紹介しよう。
それはハイエナだ。
動物の雌雄を見分けるのに、生殖器はたしかにもっともわかりやすい特徴だろう。しかし、ブチハイエナという種類のハイエナの性別を、生殖器で判断するのは非常に困難だ。なぜなら、ブチハイエナのメスのクリトリスはペニスと同じくらい巨大だからだ。
なんだったら睾丸も付いていて、勃起もする。もはやペニスだ。
このように、性器は性別を決める絶対的な要素にはならな……え? 「いや、虫よりは近付いたけど、それだって人間とは違う生き物だろ」って?
では、人間は必ずしもペニスがあれば男性と言えるのか、についても考えてみよう。
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1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
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