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卒業証書を破ったゆたぼん。動画内で目立った“嫌悪の表情”を解析

 こんにちは。微表情研究家の清水建二です。本日は、何かと話題を振りまいている「少年革命家・ゆたぼん」の言動を通じて心理分析をしたいと思います。  

破いた瞬間の表情に表れた、ゆたぼんの複雑な心理

人生は冒険だ

卒業証書を豪快に破ったゆたぼんの動画が今だに話題

 初出は三ヶ月前ではありますが、小学校を卒業したゆたぼんが卒業証書を破った動画が今だに話題になっています。    結論を先に書きます。ゆたぼんは、積極的な行動を起こすことで、自身の信念を確立させようとしている、そんなふうに思います。   0:00-0:03秒にかけ、ゆたぼんは、「人生は、冒険だぁ!」と発言しながら、小学校の卒業証書を破り、空中に放り投げています。このとき、上唇が引き上げられる動きを見せます。これは嫌悪表情です。   次に眉とまぶたが引き上げられ、口が開けられる動きを見せます。これは驚き表情です。最後に、口角が引き上げられる動きを見せます。これは幸福表情です。  これらの感情にある心理は何でしょうか。感情は、刺激に対する反応として表情等に生じます。そこで、感情の機能と照らし合わせながら、表情等が生じる直前にある刺激を見つけることで感情の原因を推測することが出来ます。  嫌悪は、不快感を抱いているときに生じる感情です。「人生は、冒険だぁ!」という言葉そのもの、あるいは/かつ、小学校の象徴としての卒業証書に対して嫌悪が生じたのだと考えられます。

嫌な思い出はあるものの、破いたことへの快感も

 驚きは、予期していないことが起きたときに生じる感情です。卒業証書を破ろうとしたものの、完全に破り切ることが出来なかったことから驚きが生じたのだと考えられます。  幸福は、目標を達成したときに生じる感情です。破った証書の部分を放り投げる前から口角が軽く引き上げられていることから、単純に破ったことに快感を得たのだと考えられますが、編集が入っているので、カメラが動いていないときに何か楽しいことが起きていた可能性は排除できません。  ここにゆたぼんの複雑な心理を想像することが出来ます。  驚き表情の存在から、卒業証書を破り、二分する目的があったことがわかります。破るという行為は、破壊に関連する行為です。通常、破壊行動は、怒りを伴って生じます。しかし、ゆたぼんの表情は嫌悪です。積極的な排除行動に向かう傾向にある怒りとは異なり、嫌悪は、消極的な排除行動に向かう傾向にあります。この場面において、嫌悪と一致する行動は、証書を破ることなく、放り投げる、だと考えられます。怒りがあれば、卒業証書をぐちゃぐちゃにする、ビリビリに破り捨てる、などが考えられます。  過去動画の中で、ゆたぼんが不登校になった理由が語られているところを見ると、学校に嫌な思い出があったことは確かだと思います。  ゆたぼん曰く、「宿題をやりたくなかったのに先生に無理やりやらされた」「皆が親や先生の言うことを『はい、はい』聞くロボットのように見え、そうはなりたくなかった」と説明しています。  しかし、ゆたぼんは、証書をビリビリに破ってしまうほど学校を憎んでるわけではなく、パフォーマンスとして派手に映るので一部分だけ破った、というところが本音だと推測します。
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ゆたぼんは本当に「人生は冒険」と思っているのか?
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株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役、防衛省研修講師、特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。著書に『裏切り者は顔に出る-上司、顧客、家族のホンネは「表情」から読み解ける』中央公論新社、『ビジネスに効く 表情のつくり方』イースト・プレス、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』フォレスト出版、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社などがある。

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