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若者が知らないスポーツ新聞の「味わい深い世界」。各紙ごとの特色を再点検

 あらゆる年代の人がいる職場はまさに“世代のルツボ”。特に社会に出て間もない人にとって、過重労働が社会問題になっている時代にあって嬉々として“徹夜仕事”をしたり、なんでも電子化、レンタルできる世の中で“モノにこだわる”40代以上の世代は奇異に映るかもしれない。  社会の文脈的に“ロスト”されてきた世代は、日々どんなことを想い、令和を楽しもうとしているのか。貧乏クジ世代と揶揄されつつも、上の世代の生態をつぶさに観察し、折衝を繰り返してきたロスジェネ世代の筆者ふたりが解説していく。

スポーツ紙の部数は20年間で半分以下に

スポーツ新聞「おい、民放テレビ局! 野球の生中継、少なすぎ…って嘆き、時代に取り残されてるのかな。夜のニュース番組で“今日のプロ野球”の結果は毎日チェックするけど、ホントに知りたい情報はもっと深いところにあって。だからいまも変わらず、次の日の朝のスポーツ新聞の情報は欠かせません。ネット記事で読めばいいじゃん?派の声が大きいのは知ってるけど、缶コーヒー飲みながらスポーツ新聞片手に過ごす朝こそ、我が人生。素晴らしき、時間。電車で新聞を広げるのはさすがに憚れるけれど…」(不動産・47歳) 〈スポーツ新聞1年で1割減。本格倒産時代到来か〉ーーこんなニュースが(密かに)話題になったのは今年1月のこと。ご存じのとおり、と言うべきか、調べてみるとスポーツ新聞に限らず、いま新聞業界そのものが暗雲立ち込めている最中にあります。「ネットニュースの台頭」「活字離れ」など、ネガティブに話そうとするなら、枚挙にいとまがありません。日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」によると、通勤時にスポーツ新聞を買う習慣のあった団塊世代が定年退職を迎えた2008年頃を境に、部数は下がり続け、2000年と比較すると、一般紙は31.5%減、スポーツ新聞は58.2%減と、じつに半分以下の部数に落ち込んでいるようです。  追い討ちをかけるかのように、新型コロナウイルスの感染拡大を向かい風に、日本中央競馬会(JRA)の場外馬券売り場の営業休止を受け、スポーツ新聞の固定客だった競馬ファンが離れはじめ、いま、部数減はさらに進んでいるようです。

「スポーツ新聞はオワコン」って誰が言った?

「スポーツ新聞? かなり前からオワコンでしょ」ーー辛辣なこんな声も筆者のまわりから聞き漏れてきますが、本稿では『DA.YO.NE』(1994年のヒットナンバー)の歌詞、〈言うっきゃないかもね そんな時ならね〉のような温度感で、軽々しくこんな風に言い放つのはやめたいと思います。  なぜなら、我々ロスジェネ世代には、時代は進んでもスポーツ新聞を愉しめる素養があるからです。思い出してください。例えば、平成をザワつかせた『東スポ』(東京スポーツ)の1面を。〈マドンナ 痔だった?〉〈プレスリー生きていた?〉〈フセイン インチキ大作戦〉〈人面魚 重体脱す〉……まだ若かった我々は、UFO、宇宙人、ツチノコ、プロレスなど、百花繚乱な、東スポが報じる”トップ記事”にいつもニヤニヤ&ワクワクしていました。本気とジョークの区別を愉しむ余裕のある”おおらかな時代”だったのかもしれません。
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特色豊かなスポーツ各紙
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数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。

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